筆者は激怒した。必ず、かの精力旺盛な草を除かねばならぬと決意した。
春から徐々に姿を現し始め、抜いても抜いても無限に湧いてくるスギナという草がある。
強靭な生命力を持っており、一度増えだすと人間の手には負えないレベルのスピードで庭を埋め尽くしていく。もうほんとこの草嫌いだ……どうにかこのストレスが軽減されないもんかなぁ……
──ん、待てよ? アサガオでもヒマワリでも、自分が育てた植物には愛着が湧くよな。つまりスギナも育ててみたら、案外愛着が湧いて負の感情が払拭(ふっしょく)されるのでは? さっそくチャレンジしてみることにした!
・育成開始
そんなわけで、その辺に生えていたスギナとその周りの土を採取して……
植木鉢に移植してみた。「地獄草」という別名を持つくらいたくましいスギナのことだし、鉢に入れたくらいじゃ動じないだろう。
増えすぎちゃったらどうしようかな、でもそれはそれで小さい森みたいになってかわいいかもしれないな。ワクワクしながら世話をしていたら……
枯れた。
いやなんでだよ。庭ではあんなに爆速でワサワサ育ってたじゃんよ。水やりの回数が多すぎたとか特別気温が高かったとか、そういうわけじゃないと思うんだけど……
あ、もしかして採取する時に根を短くしすぎちゃったのかな? そっか~、いくら最強のスギナとはいえさすがに根を傷つけるのはまずかったか。
ふと隣の植木鉢を見てみると、小さなスギナが顔を出しているのを発見。そっと引き抜いてみたところ、まだ根を張る前だったようで全体をきれいに採取することができた。
ちょうどよかった、これなら問題なく育ってくれるんじゃないだろうか。
今度は鉢に入れる土も園芸用のものに交換。ふかふか&肥料入りという、普通のスギナならまず体験することがないであろうVIP待遇である。さあ、存分に育ちたまえ!!
お、数日経ってもしおれてる様子がない! 今回はちゃんと根付いてるっぽいな。いいぞいいぞ、このまますくすく育ってくれ!! そう思っていた矢先──……
やっぱり枯れた。
・和解、一生無理
野の植物には野の環境が1番適しているということなのか、それとも筆者が植物を育てるのが壊滅的に下手なのか──……原因は未だに分からない。
2回とも随分早いお別れになってしまったけれど、短期間でも面倒を見たことで以前よりはスギナに対する負のイメージが軽減されたような気がする。
よく見たら他の野草と比べてソフトな印象の形をしていたり優しい緑色をしていたりで、かわいいと言えなくもないような気がするし。
あっそうだ、そういえばそろそろ花に水やりをする時間だった。ほ~らお花たち~、水の時間だよ~……
なに勝手に花のエリアに侵入してんねん……
やっぱ許さねぇ!!!!!
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.