QualcommがスマホやPCと無線で接続できるARメガネデバイス「Wireless AR Smart Viewer」を発表

仮想現実(VR)や拡張現実(AR)向けの5G対応SoCであるSnapdragon XR2を提供するチップメーカーのQualcommが、完全ワイヤレスのARデバイス「Wireless AR Smart Viewer」を開発したことを発表しました。

Qualcomm Cuts the Cord with the New Wireless AR Smart Viewer Reference Design Powered by the Snapdragon XR2 Platform | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/news/releases/2022/05/20/qualcomm-cuts-cord-new-wireless-ar-smart-viewer-reference-design-powered

Qualcomm’s new AR glasses are thinner and wireless – The Verge
https://www.theverge.com/2022/5/20/23130369/qualcomm-xr2-wireless-ar-smart-viewer-announcement

Wireless AR Smart Viewerの最大の特長は、Wi-Fi6/6EとBluetoothによってスマートフォンやPCとの無線接続を実現している点です。前世代のAR Smart ViewerはUSB-Cケーブルで有線接続する必要がありました。

Qualcommは「Cut the cord(コードを切る)」と表現し、Wireless AR Smart Viewerが無線接続になった点をアピールしています。

Wireless AR Smart Viewerの開発は、中国の音響部品・光学製品メーカーであるGoertekが担当。両眼OLEDディスプレイで、解像度は1920×1080ピクセル、リフレッシュレートは90Hz。ゴーグル部分にはモノクロのカメラを2基、フルカラーのカメラを1基搭載し、6DoFの自由度とジェスチャー認識によるハンドトラッキングを実現します。視野角は対角40度と、前モデルからやや狭くなりました。本体重量は115gで、約500gのMeta Quest 2と比べるとかなり軽くなっており、フレームの厚さも前モデルより40％薄くなっています。

Wireless AR Smart Viewerの搭載チップセットはSnapdragon XR2です。また、接続するスマートフォンやPCにQualcommのFastConnect 6900チップが搭載されていれば、遅延を3msにまで短縮できると述べています。

Wireless AR Smart Viewerが無線接続ということは、電源を内蔵バッテリーに頼らなければなりません。IT系ニュースサイトのThe Vergeは、「ヘッドセットに内蔵されているバッテリーの容量は650mAhで、最も高い処理を要求する仮想体験を実行するとバッテリーの持続時間は30分ほど」と報告しています。実際はそこまで処理を要求することがないので、Wireless AR Smart Viewerのバッテリーはもう少しもつだろうとThe Vergeは述べていますが、「仮想環境下で1日仕事をする」ということは難しいかもしれません。