ノルウェー水産物審議会(ノルウェー・トロムソ)は2022年3月9日、ロシア・ウクライナ情勢をめぐるサプライチェーンの混乱で、日本に空輸されるノルウェー産サーモンの供給が全国的に不安定になっていると発表した。
すでに国内の回転ずしチェーンでは、サーモンネタの販売を休止する動きも出ている。審議会はロシア領空を通らない迂回ルートの確保など「代替対応の実現に向けて協議を続けている」とした。
日本は「大変重要な市場」
発表によると、ノルウェー産生サーモンを日本に空輸する際は、約8割が最短距離のロシア領空を経由するルートを利用している。しかし、ロシア航空局は2月28日にノルウェー含む36か国のロシア領空の飛行禁止措置を施行。また、航空会社がロシア領空での飛行リスクを鑑みルート変更・欠航を行ったことで、このルートでの輸送継続が難しくなり、全国的に供給が不安定になっているという。
審議会は、北極圏を経由する北回り、中東を経由する南回りの迂回ルートを確保するなど「代替対応の実現に向けて協議を続けている」と説明。審議会で日本・韓国担当ディレクターを務めるヨハン・クアルハイム氏は、ノルウェー産サーモンにとって日本は「大変重要な市場」だとし、「供給の維持および強化を非常に重要視しており、現在、航空会社や関係会社とともに、持続可能な解決策を今後数週間で実現できるよう最善を尽くして参ります」とした。
ノルウェー産サーモンの供給不足をめぐっては、3月8日に回転ずしチェーン「すし銚子丸」が「オーロラサーモン」の販売休止を発表するなど、影響が出始めている。