ジャンボ〜〜〜! イン、キベラ。君は知っているかキベラスラムを。ケニア最大であることは無論、アフリカ最大のスラム街とも言われるキベラスラムを。知らない人は、バックナンバー「1」「2」を参照してね。
さて、世界唯一のポテジャー(ポテトジャーナリスト / ポテト評論家)であるオレ(チャオス・本業タクシー運転手)が今回行ってみたのは、モチのロンでキベラスラムだ。絶対に一人では行くなよ。危険だからな。
到着したのは、とあるポテト屋。食い尽くされたポテトのショーケースと、その上に置かれている塩、コショー、ケチャップ、チリソースがポテト屋さんである目印だ。俺は入店するなり、帽子のツバを人差し指で押し上げながら、
「ポテトひとつ」
とシブくオーダーした。すると、コーンロウがオシャレなおねえちゃんは、
ポテトカッターでイモを切り、
ポテトフライヤーでポテトを揚げ始めた。おっ……ポテト屋として標準以上の設備……! やりおる!!
また、正直言って、この時のニオイは最高だった。ポテトが油で揚がる香りは、人間が本能的に「うまそ」と思う香りをしていると思う。だが、フライヤーから少しでも離れると……
テリブル(最悪)なスメル(ニオイ)がする。
ドブのニオイというか、小便のニオイというか、とにかく不衛生なバッドスメルだ。しかし、そんなスメルをかき消すほど、この店のポテトの香りはかぐわしかった。“スラムに花咲くポテトの芳香剤”、みたいな。
ま、そんなニオイ事情なので、ドブの香りが漂う店内で食べるのは不可能と判断。お持ち帰りをし、スメル的にセイフティーな場所で開封すると……
悪くないやん……
やはりスメルはベリーグッド。だが、パッと見で「さらに欲しいな」と判断したのは、トマトケチャップとチリソース。まだまだ足りん。オレくらいのポテタツ(ポテトの達人)になると、何が必要なのかすぐわかる。んで、それぞれたっぷり “追い” して食べてみると──
まさかのペッピー(コショーっ辛い)……
どっから来たのかペッピー味。あまり黒い粉は見えなかったのに、味としては非常にペッピー。あんなにトマケチャ(トマトケチャップ)とチリソー(チリソース)をぶっかけたのに、それぞれの味がしなくなるほどのペッピーさんだったのである。
だが、
_人人人人人人人人_
> 味は悪くない…… <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
ビックリだろ。スラム街のポテトだから「ゲロマズ〜」だと思っただろ。意外や意外、味はイケる。しかもこれ、なんとたったの30ケニアシリング(30円)。この連載始まって以来の最安値を更新だ。
スラムだからってマズいとか、スラムだからって腹を壊すとか、そういう先入観を見事に乗り越えてきたキベラスラムの30円ポテト。味がペッピーすぎるのが惜しいけど、ここより高くてマズいポテトなんていくらでもある……
──とか褒めようとしてたら──
食ってから2時間くらいして腹の中が屁(ガス)でパンパンになりやがった。それはまるで、“体内に置かれたガス発生器” みたいなくらいのヒューマンガスっぷり。よって、
オレは財布の中に入れておいた「ENO(←たぶん胃腸薬)」をササっと飲んだ。胃の中のガスを取り除くために(to remove the gas in my stomach)。そしたら、わりとすぐに回復した。やはりENOは最高だ。
──てな感じで、次回は、そんな「ENO」について大特集! オレの真の相棒「ENO」とは何なのか? また次回。乞うご期待!! クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.