Intel・NVIDIA・TSMCは半導体業界でどんな役割を果たしているのか?

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世界的な半導体不足が続く中、毎日のように半導体関連のニュースが話題となっていますが、半導体関連企業は「ファウンドリ」や「ファブレス」といった分かりづらいジャンル名で呼ばれることが多く、どの企業がどんな役割を果たしているのかは分かりづらいものです。それらの企業の役割について、半導体関連情報をまとめているウェブサイト・SemiWikiが解説しています。

The Semiconductor Ecosystem Explained – SemiWiki
https://semiwiki.com/semiconductor-manufacturers/307494-the-semiconductor-ecosystem-explained/

半導体はスマートフォンやPCの計算処理チップやエアコンの温度センサーなど、電化製品の部品として広く使われています。そんな半導体の生産には設計・生産・材料となる物質の生産・組み立て機器の生産といった数多くの工程が含まれており、それらの工程は異なる企業に分散して行われています。SemiWikiはそれらの企業をグループ分けし、それぞれのグループの役割について解説しています。


◆IPコアを販売する企業
IPコアは英語で「intellectual property core」と記され、直訳すると「知的財産コア」となります。このIPコアは計算チップなどを構成する細かい部品のようなもので、「計算処理を行うIPコア」「暗号化処理を行うIPコア」「音声処理を行うIPコア」など非常に多くの種類が存在しており、IPコアのライセンスを販売する企業は150社以上存在しています。半導体を設計する企業は、これらのIPコアのライセンス契約を結ぶことで、半導体にIPコアの機能を盛り込むことが可能。例えば、AppleはArmとライセンス契約を結んでiPhoneなどに搭載しているチップにArmのIPコアを利用しています。


◆EDAを開発する企業
現代の半導体は非常に複雑化しており、1つのチップの中に複数種の機能を持つ半導体が含まれることもあります。そのような複雑な回路設計を可能とするのが「Electronic Design Automation(電子設計自動化ツール)」で、略してEDAと呼ばれています。SemiWikiによると、EDA業界はCadenceMentorSynopsysというアメリカの3企業が支配しているとのことです。


◆半導体の材料
半導体の生産には、シリコンウェハーやフォトレジストといった特殊な材料が必要です。これらの材料の中には日本企業がトップシェアを獲得しているものもあり、特に信越化学工業SUMCOは半導体材料市場で大きなシェアを獲得しています。


◆半導体前工程製造装置
半導体の生産工程は半導体を設計する「設計固定」、シリコンウェハー上に電子回路を形成する「前工程」、シリコンウェハーから半導体を切り出す「後工程」に分けられます。前工程では数nmクラスの微小な構造を形成する必要があるため、非常に精密な動作が可能な製造装置が求められています。製造装置メーカーの中でも、TSMCやIntelに極端紫外線リソグラフィ(EUV)装置を提供しているASMLは特に有名です。


◆ファブレス企業
ファブレス企業とは、自社で半導体の設計を行い、製造を他の企業に委託する企業のことを指します。Apple・AMD・NVIDIAといった企業は高性能なSoCやGPUなどを開発していることで知られていますが、自社で製造を行っているわけではないので、ファブレス企業に分類されます。


◆IDM
ファブレス企業と異なり、自社で設計から製造までを行う企業はIDMに分類されます。IDMの中には、CPUの設計・生産を行うIntelや、メモリの設計・生産を行うMicronなどが含まれます。


◆ファウンドリ
ファウンドリは、ファブレス企業の依頼を受けて半導体を製造する企業です。世界最大ファウンドリのTSMCはApple・AMD・NVIDIAといった名だたるファブレス企業を顧客に持っています。


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