これ、絶対必要になるテクノロジーよね。
干ばつ、洪水、海面上昇による淡水への海水侵入、水質汚染、農業やデータセンターによる水の大量使用など、これからますます淡水の確保が重要になります。
そんな中、現在ラスベガスで開催中のCES2025で、海水や汚染水などから淡水を抽出できるオリジナルの膜蒸留テクノロジーを取材しました。
これまでにない膜蒸留テクノロジー
韓国の2N(Two-N)が提供する膜蒸留テクノロジーは、従来よりも少ないエネルギーで効率よく海水の淡水化や産業廃水の浄化を行なうというものです。
これは、持続可能な水管理のための革新的なシステムといえるもので、水不足や環境問題のソリューションとして期待できそうですよ。
2Nの膜蒸留テクノロジーは、特殊な膜を張ることで、油や汚染物質と水を分離して浄水するシステムになっています。会場のデモでは、画像のようにザルに張ってある膜を油だけが通過して、水が残っていました。
実際に、2Nは韓国で二次電池(蓄電池や充電池)製造時に発生する廃水を浄化する装置を開発しており、産業の現場でも生かされ始めているとのこと。
2Nの膜蒸留テクノロジーの特筆すべき点は以下の通りです。
- 特殊な膜によって水をそのほかの物質から分離
- 海水、塩水、汽水、鉱業廃水、塩分濃度の高い水(産業廃水、地下水、地表水)から水を生産・抽出
- スケールアップ可能
- 簡素化された生産プロセスによって、低コスト運用、迅速な拡張、環境負荷の低下が可能で、費用対効果が高くサステナブル
- 従来の逆浸透膜とは違い、低圧・低温で運用できるため、排熱や再生可能エネルギーを利用することで、エネルギー使用量を最大30%削減
浄水や淡水化と聞くと、干ばつと海面上昇による淡水不足がパッと浮かびます。が、海水淡水化はコストも時間もかかって簡単にスケール化できないんですよね。
もしも2Nの技術が低コストでスケール化できて、おまけに再エネと組み合わせることで環境と気候への負荷を抑えられるとなれば、特に慢性的な水不足が懸念される地域にとってこれ以上ないソリューションになりそうです。
CES2025で見つけた最新AIプロダクトのトークイベント、1月23日開催
登壇者は、國本知里(Cynthialy 代表取締役)、西谷茂リチャード(ギズモード・ジャパン インターナショナル&事業開発チーフ)、小林優多郎(Tech Insider編集チーフ)。
Source: CES 2025 with Two-N(CES用特設サイト), 2N (Two-N)