ビタミン剤を飲むとおしっこが真っ黄色になるよね、どうしてなの?

GIZMODO

2013年9月28日の記事を編集して再掲載しています。

説明しよう。が、その前におしっこしてくる。

ビタミン剤を飲んだことがある人ならば、体験したことがあるのではないでしょうか。真っ黄色のおしっこを。黄色は黄色でも蛍光イエローに近い、かなり派手な色のおしっこを。

なぜ、ビタミン剤を飲むとおしっこが真っ黄色になるのでしょうか? それには、リボフラビンが大きく関係しています。

リボフラビン=ビタミンB2は、多くのビタミン剤に含まれているとてもポピュラーな成分です。1872年、Alexander Wynter Blyth氏が、牛乳の中にある黄緑色のような色素に注目したことがきっかけで発見されました。当時は、ラクトクローム/ラクトフラビンだと報告されましたが、1930年代にリボフラビンとして定義されました。「フラビン」とはラテン語の「Flavus」からきており、黄色やブロンドという意味があります。

では、なぜリボフラビンがおしっこを真っ黄色にするのでしょうか? 色と言えば光、さぁここで光吸収の話になります。

光とはつまり電磁波のこと。この電磁波のうちに、人の目で見ることが出来るのが光であり、可視光線です。可視光線にあたるのは、下が360-300nm、上が760-830nmの波長のみ。この下限よりも波長が短いものに、例えば紫外線やX線が、長いものに赤外線等があり、人の目では見ることができません。色は、この波長の長さによって決まります。例えば、400-500nmなら青、600-700nmなら赤という具合に見えるわけです。

さて、光は物体に当たり、光の一部は物体に吸収され、また一部は反射されます。私たちが見ている色は、物体に吸収されたものではなく、もちろん反射してきたもの。吸収される波長/反射される波長は、物体により異なります。例えば、とある物体は400-500nm(青)の光を吸収したとしましょう。すると、私たちがこの物体を見た時に感じる色は500-700nm(緑、黄色、赤)となるわけです。そろそろ、ちょっとこんがらがってきました…。

リボフラビンという成分は、特に260-370nmに当たる波長を強く吸収するという特性があります。これは、人の目で見ることができる波長を下回っているものの、同時に450nm(青)の波長もめちゃくちゃ吸収するという特性も持っているのです。青の波長が強く吸収されることで、あの独特な黄色が私たちの目にはいってくることになります。

では、なぜ黄色いリボフラビンがおしっこにたくさん含まれているのでしょう? それは、おしっこは体がいらないものを外に排出する役目があるからです。

幾つかの研究では、摂取した内の約50%のリボフラビンは過剰摂取として体外に排出されると言われています。同研究で、1度に人が吸収できる最大量は27ミリグラムだとされており、そのうち半分は1.1時間以内に吸収されると言います。1日の目安摂取量は、実は1-1.6ミリグラム程度。しかし、多くのビタミン剤に含まれているリボフラビンは25/50/100ミリグラムもあるのです。ともなれば、そりゃ大量のリボフラビンは吸収されることなく、体外に排出されてしまいますよね。

過剰摂取により、大量におしっこと共に排出されるリボフラビン。青の波長を吸収して、黄色の波長を我々の目に届けるリボフラビンが大量にはいったおしっこ。そりゃ、おしっこも真っ黄色になるわけです。

時に、ビタミン剤好きのアメリカ人は「世界で1バン高いおしっこをしている。お金を便器に流しているようなもんだ」とも言われるとか。

TodayIFoundOut.comに掲載された記事を、米Gizmodoが許可を得て再掲載したものを翻訳いたしました。

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