伝統とテックが身体を突き抜ける。
皆さん畳って好きですか? 和室にごろんと寝転ぶの僕は大好きなのですが、どうやら近年は「畳離れ」が深刻とのこと。
畳表の素材となるい草の生産者、生産量共に減少し、畳表の生産枚数は全盛期(平成元年)の4%にまで減少するといった、危機的状況であるようなのです。
そこで畳の新しい活用方法や畳の価値を再発見するため発明されたのが、このボディソニック搭載畳「TTM-V20」です。Bluetooth対応です。
一見普通の畳。だけどこれ、スピーカーでもあるのです
ボディソニックで…畳? 何を言っているのかわからない。という顔をされても不思議ではないはず。実際僕も体験するまでこの「TTM-V20」、見た目は普通の畳。
…ですが、この空間には音楽が鳴っていて、音源は床の畳。畳の芯材に振動を伝える振動スピーカーが4基埋め込まれ、Bluetooth対応アンプへと繋がっています。
この構造によって、ごろ寝すれば全身に音と振動が伝わるのです。ね? 「ボディソニック畳」でしょ?
これ、ポイントはやはり「振動を感じられる」ところ。
音を聞く楽しみだけでなく、音を感じる聴覚と触覚がリンクした心地よさがありますね。これがまぁ、不思議感で頭がバグるんです。だって畳ですよ? Bluetoothでつながるんですよ?
ライブなどで空間を仲介して音波の揺れが伝わる体験は多々ありますが、床面それも畳という慣れ親しんだ感触から直接身体に音と振動が伝わってくるのは、さすがに生まれて初めての体験。
僕はこの振動に、心地よさを感じましたが、かける音楽によってはアトラクションにもなるでしょうし、また音楽が変わればより濃いヒーリング空間にもなりそうなんですよね。
たとえば、お風呂上がりにキンッキンのドリンクをあおりながらごろ寝したら普段の1000倍くらいは癒やされる確信があります。そんな至高の一日の終え方を妄想しちゃってワクワクしちゃう畳。
部屋作りの幅も広がりそう
床に置かずに音がなるなら、和室にスピーカーを置く、壁に固定するといったスタイルはちょっと趣がないけど、これならスペースをスッキリと使えるのもメリットかなと。
あと、家族みんなが座って「エリアで」音と振動を楽しめるのって、いつもの映像体験がちょっとアトラクションっぽくなりそうで、個人宅へ導入するのも楽しそうな気がしますね。
見た目普通の和室なんだけど、実は音が鳴るというお座敷ライブ。マーベラスな非日常がワクワクじゃん!です。
価格は高い。でも心地よさは体験する価値はある
「TTM-V20」、畳の付加価値としてすごくユニークですし、伝統×テックとの融合の可能性としても、目新しさが光ります。
では自宅に導入するか? といったら、コスト面で悩ましさがあるのが正直な感想。価格は27万4780円(税込)+送料、これを考えるとうーん…って唸っちゃう。
だけどこれが、家を建てたときのお金の単位感覚のバグった状態に言われたら、「あとから導入は大変だろうから、最初から入れとくか!」となってもおかしくはないな…。と、ちょっぴり思ったのも事実です(家族から待てとなるのは確実ですが)。
こう思えるのも実際に体験したからなんですよね。
この心地よさや特別な部屋を作れるワクワク感は格別。なにより、見慣れた畳からという意外性や非日常感がスゴイのなんの。なので、今後はこの不思議さを実際に体験できるスペースが増えてくるといいなぁと。
そして、もし見かけたらごろ寝してみてください。畳から音が鳴る、身体に伝わる。伝統とテックとの融合が身体を突き抜ける感覚を。
Source: 八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会