自然界では生きられないのだろうな。
7月31日、テネシー週のブライツ動物園に、「もようのないキリン」が誕生しました。確認したところ、現存するキリンの中で、もようがないのはこの子だけなんですって。
唯一に喜ぶ動物園
「もようのないキリンをみんなが笑う」という書き出しで始まるのは、きむら みゆき著の絵本『もようのないキリン』。しかし、ブライツ動物園は笑うどころか大喜び。生まれた瞬間から、様々な動物園やキリンのエキスパートに連絡して、もようのないキリンを見たことがあるのか聞いて回ったそう。
その結果わかったのは、1967年と1972年に上野動物園でもようのないキリンが生まれたものの、その後は1頭も生まれなかったので、新たに誕生した子が「唯一」であるということでした。
このことから、彼女の名前の候補はスワヒリ語で「珍しい」といった意味を含む「Kipekee(意味:ユニーク)」「Firayali(意味:珍しい)」「Shakiri(意味:彼女は最も美しい)」「Jamella(意味:素晴らしい美の1つ)」の4つになりました。結果は9月4日に発表される予定です。
生まれたのが動物園でよかった
珍しいもようのキリンが飼育かで生まれたことを喜ぶ理由は、いくつかあります。
まず、もようにはカムフラージュの意味があり、自然界で目立ってしまうので長く生きられないかもしれません。
それに密猟者に狙われる確率も高くなります。密猟者でなくても、珍しい動物をハンティングしたいと考える人はいます。2018年にはアメリカ人の女性ハンターが、珍しい黒いキリンを仕留めたとSNSに誇らしげな写真を投稿しています。
ケニアのイシャクビニ・ヒロラ自然保護区には白変種のキリンが3頭いましたが、そのうちの2頭は後に死体で見つかっています。残る1頭は密猟者から守るためにGPSを搭載されているんです。
カモフラージュ以外の意味は?
あのもようの下には太い血管が通っています。そして、各もようの太い血管から毛細血管が張り巡らされています。この血液循環システムは、体を冷やすのに役立っていて、もよう部分は「サーマル・ウィンドウ」と呼ばれているそう。
今回生まれたもようのないキリンはどんな血管のパターンなのでしょうか。サーモグラフィーとかで放熱具合を測ったらわかるのかな。