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はじめに
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ごはんの記憶が残らない島 鹿児島県南種子町
(きだてたく)
南種子町というと分かりづらいかもだけど、要するに種子島である。鉄砲伝来の島で、安納芋とハサミの島で、そして種子島宇宙センターとロケット発射場のある島だ。
ちなみに島内は3つの町に分かれていて、ロケット発射場があるのが最南端の南種子町である。
僕は昔から宇宙開発とかロケットといった類に大興奮するタイプの子どもだった。
小学校の卒業アルバムには将来の夢として「京セラの開発職」(当時、京セラがスペースシャトルの耐熱タイルを生産していた)と書いていたほど。「宇宙飛行士」みたいなチャラいことを言ってない辺りから、逆に本気度を察してほしい。
そんな子が大きくなってライターになったんだから、「種子島に行ってロケット発射の取材してきてください。メディアじゃないと入れない発射上に一番近い場所にも入っていいです」なんて依頼が来た日には、キヒェー!みたいな奇声のひとつも上げて当然だろう。
実際、いま思い返してみても取材中の自分のテンションはかなりおかしかったはずだ。
というのも、2泊3日の取材行程中、食事をした記憶が1回(ロケット打ち上げ前夜の夕食)しかないのである。
さすがにそんなことは無いはずなんだけど、実際カメラロールを見ても食事の写真がその1回のみしか残ってない。
普段は「旅行の楽しみ=現地メシ」レベルで食事に重きを置くタイプの人間なので、これは我ながら相当な異常事態だと思う。
それに加えて打ち上げ前々日・前日とほぼ寝ていない(興奮でまったく寝付けなかった)という体調だったので、冷静に考えたら、どうやって生命維持してたんだろうか。ビックリするぐらい元気だったけど。
島内のコンビニ(的なお店)に入った記憶はあるので、そこで無意識のうちにおにぎりとか買って、ぼんやりしたまま食べて栄養補給してたのかもしれない。本当に憶えてないので、なんとも言えないが。
ロケットの話は記事にさんざん書いたので違う話をすると、種子島は意外と南北に長い大きな島で、縦断するのに車でも1時間半以上かかる。
で、このドライブがなかなかにご機嫌なのだ。なんせ道路沿いから見える海がめちゃくちゃキレイ。砂浜も珊瑚質の白い砂だし、ところどころにガジュマルなんか生えちゃって、完全にビーチリゾートの風景である。
ロケットの打ち上げは年に数度ぐらいと機会が少ないけど、逆に打ち上げがないときは宿も取り放題で、ビーチもほぼ貸し切り状態らしい。
なので、いずれロケット関係なくもう一度のんびり島を訪れてみたいなと思ってる。次こそは現地メシもちゃんと食べたいし。
終わってふたたび解説です
現地の食事の写真がないことで、異常事態だったことがわかって面白いです。 ロケットの打ち上げ期間以外で行ったら空いてそうですが、 きだてさんは絶対に次もロケットの打ち上げのときに行きそうです…。
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