アメリカのネット掲示板である『Reddit（レディット）』。英語圏のユーザーが中心で世界最大とも言われるこの掲示板で、なんと近所の飲食店が話題になっていた。マジかよ。
投稿されていた画像は、うなぎの乗ったおにぎりで、「ぜひ食べてみたい」「うまそう！」「素晴らしい」などのコメントが。近所に住んでいる者としてはテンションが上がる。
が、こんな店は知らん。このおにぎりも初めて見る。そこで行ってみることにした。
・情報を見ても……
店の名前は『浅草うなな』というようだ。5年はここら辺に住んでいるし、独り身のため外食もよくしているが、店の名前を聞いてもマジでピンと来ない。
とは言え、浅草は店がいっぱいあるし、知らない店なんてありまくりだ。なおかつ、普段、観光客向けの店には入らないので、そういうタイプの店なのかもしれない。
住所を見ると、東京都台東区浅草2－7－21と浅草六区の辺り。外国からの観光客が好きそうな一帯である。事実、店に向かっている今も外国人観光客らしきグループとすれ違ったし。
・奇妙な小道
地図を見ながら進んでいくと、花やしき通りに出る。いかにも……だ。長屋調に統一された飲食店が建ち並ぶこの通り。着物を着た女の子と外国人観光客のイメージが強い。
どうせこの通りにあるんだろう。と思いきや、地図をよく見ると……え？ ここ入るの？
それは長屋調に繋がる花やしき通りの店と店の間に空いた穴みたいな通りであった。例えるなら、『ジョジョの奇妙な冒険』四部に出てくる地図に載っていない小道のように。知ってたような気もするけど、少なくとも意識したことはなかった道がそこにあった。
・ドドドドドド
入ってみると、裏道オーラが凄い。壁がずっと続いていて、一歩入っただけで露骨にメジャー感がなくなったのである。雰囲気がガラッと変わりすぎて不気味ですらあるのだが、さらに奥に進んでみたところ……ドドドドドド！
あった……
『浅草うなな』は小道の奥の奥、区画の端に引っかかるみたいに佇んでいた。こんなところに店あったんかい……！ スタンドも月までぶっ飛ぶこの衝撃。
・システム
路面に面してカウンターがあるこの鰻屋。しかし、テイクアウト専門というわけではなく、ちょっと離れたところにイートインスペースがある。実は、たどり着くまでにこのイートインスペースの前を通ったわけだが、外国人客があふれていた。外国人観光客には有名なスポットなのだろうか？
システム的には、焼き上がりの時間が決まっており、店頭で食券を購入した後、お渡しを待つ感じ。試しに、Redditで話題になっていた「国産鰻焼おにぎり（600円）」を購入してみたところ、ちょうど15時50分の受け渡しのタイミングだったようですぐにもらうことができた。
・あながち高くもない
食べてみると、うなぎはふっくら柔らかで、名前だけではなく国産感が感じられる味。なによりデカイ。具のうなぎがおにぎりを覆わんばかりじゃあないか。こりゃあ中に入らん。
さらには、おにぎりが焼きおにぎりになっていて、タレが裏側にまで塗られている。ちょいとお高めではあるもののちゃんとウマイ。
いや、おにぎりと捉えるとお高めに感じてしまうが、『宇奈とと』の一切れうな丼が現在590円であることを考えると、あながち高くもないのかもしれない。
・観光に適している点
なおかつ観光的目線で見ると、ハンバーガーみたいに持ち手になる紙で包まれて食べ歩き仕様になっているのはもはや天晴である。この手軽さでこのレベルの鰻を食べられる店は見たことがないからだ。
そう言えば私もイギリスに行った時は、食べ歩き用の路面店などで買うことが増えた。その土地らしい味をなるべく多く味わいたいから、食べ歩き系ファストフードとか結構食べるようになるのである。海外は場慣れしてないと店に入るのちょっと怖いしな。
そう考えると、観光客目線だからこそ見つけられた店と言えるのかもしれない。日常的に通る場所でも目線が変われば非日常。世界は奇妙で満ちている。楽しむか楽しまないかはあなた次第。
・今回紹介した店舗の情報
店名 浅草うなな
住所 東京都台東区浅草2－7－21
営業時間 11:00～17:00
定休日 水木
執筆：中澤星児
Photo：Rocketnews24.
