対話型AIのChatGPTなどを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEOがアメリカで開かれた公聴会に出席し、AIに対する今後の方針として「利点を伸ばす一方で、AIの害を最小限に抑えるための政府による規制介入が重要になる」との考えを示しました。
Oversight of A.I.: Rules for Artificial … | United States Senate Committee on the Judiciary
https://www.judiciary.senate.gov/committee-activity/hearings/oversight-of-ai-rules-for-artificial-intelligence
WATCH LIVE: OpenAI CEO Sam Altman testifies on artificial intelligence before Senate committee – YouTube
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Sam Altman wows lawmakers at closed AI dinner: ‘Fantastic…forthcoming’
https://www.cnbc.com/2023/05/16/openai-ceo-woos-lawmakers-ahead-of-first-testimony-before-congress.html
OpenAI CEO embraces government regulation in Senate hearing
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/openai-ceo-embraces-government-regulation-senate-hearing-rcna83931
OpenAI boss tells congress he fears AI is harming the world | Evening Standard
https://www.standard.co.uk/tech/openai-sam-altman-us-congress-ai-harm-chatgpt-b1081528.html
上院司法委員会が開いた公聴会で2時間にわたり講演を行ったアルトマン氏は、AIにまつわる安全基準の設定およびAIの一般公開前に行うテストの確立、独立監査人による公開前の検査などを提案し、「ますます強力になるAIモデルのリスクを軽減するためには、政府による規制の介入が重要になると考えています」との見解を示しました。
共和党のジョシュ・ホーリー上院議員が「人々はAIを信頼できる情報源として利用する可能性があるのでは」という意見を述べたところ、アルトマン氏は「政府がこの技術を規制する役割を果たすことが賢明だと思います」と発言。「見ているコンテンツがAIにより生成されたものなのか、そうでないのかを人々は知る必要があります」と述べて、政府によるAIの規制監督の重要性を改めて強調しました。
2024年に大統領選を控えたアメリカ国内では人間がAIを利用して生み出した誤情報の拡散が危惧されていますが、この点についてアルトマン氏は懸念を示しつつ、「かつてPhotoshopが登場したとき、人々はしばらくの間だけPhotoshopで加工された画像にだまされましたが、次第に画像がPhotoshopで加工されていることを理解するようになりました。AIでも同じようなものです」と述べ、AIが情報やメディアに与える脅威に対し一般の人々は適応することを学ぶだろうとの考えを示しています。
また、AIに関する規制については、ユーザーが投稿したコンテンツに対するプラットフォームの責任を免除する「通信品位法230条」のような既存の枠組みは不適当かつシステムを適切に規制できる方法ではなく、まったく新しい枠組みを設けるべきだとアルトマン氏は主張しました。
アルトマン氏は「OpenAIがこれまでに展開したツールの利点はリスクを大きく上回ると考えています。私たちは新しいシステムをリリースする前に大規模なテストを実施し、安全性と監視システムを導入しています。AIというテクノロジーは雇用市場に大きく影響しますが、影響を乗り越えた先にははるかに大きな仕事があります。GPT-4などのツールはいくつかの仕事を完全に自動化し、より優れた仕事を新たに生み出すと思います」と述べました。
アルトマン氏に続いて登壇したニューヨーク大学名誉教授のゲイリー・マーカス氏は、企業が持っている膨大な個人情報を活用し、個人の好みに合わせた情報を発信する「広告のハイパーターゲティング」が行われる時代が間違いなくやってくると主張しています。マーカス氏はAIの規制について「国際機関を迅速に構築することが推奨される」との見解を示しました。
なお、今回の公聴会は、議員らが声を荒らげることもあったTikTokやFacebookのCEOの講演と比べ、より温和な雰囲気で進められたとのこと。アルトマン氏はChatGPTに法案を書かせるというデモンストレーションを行い、多くの議員を驚かせたと伝えられています。
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