色に騙されていませんか
コーヒーにコーヒーフレッシュを入れると味がまろやかになる。
しかし待てよ、と思う。色が真っ黒じゃなくなったせいでまろやかに感じているだけなんじゃないか。そんなことを考えたらそうとしか思えなくなってきた。
「消費者庁が動くぞ」
編集担当の林さんに話したら「確かにそうですね」「消費者庁が動くぞ」と言ってくれた。確かめてみよう。
安藤さんは「いや変わるでしょ」という反応。ニュアンスをより正確に表すなら「いや変わるでしょww」という感じだった。悔しい。
「ほら、かき氷のシロップも色が違うだけっていうじゃないですか」と説得しても「あー…」という感じで響いていない。
舌バカが二人出会ってその気になっただけなのか、世紀の発見となるのか、今その分かれ目にいる。
まず普通に飲み比べる
あ、ダメかも、と思った。一人になると急に心細くなる。
いや、林さんはベージュっぽい色を見てそう感じているだけなんだ。気を強く持とう。
目隠ししたらどうか
次は目隠しして飲んでどっちか当ててみる。色の情報がないので、味だけを正確に判断することになる。
僕は当てちゃダメなんじゃないか。言い出しっぺなのに。
なぜ入ってないと思ったかと言うと、コーヒーっぽさを強く感じたからだ。つまりコーヒーフレッシュで味は変わっている。すみませんでした。
これはどうなんだ。林さんの舌が抜きん出ているだけなのか。
いや、僕もそうだったがかなり分かりにくいんだ。それぞれを飲んで比べると差が分かるが、いきなり飲んでどっちか考えると難しい。
「変わってない」は言い過ぎたが、「分かりにくい」なら十分ある。
「そんなに長く嗅ぐのはズルい」と思ったが口には出さなかった。きっと匂いも味のうちなんだ。コーヒーってそういうものなんだろう。舌バカにも想像力はある。
「確かに分かりにくい。匂いでなんとか分かった」と言ってくれた。
ここまでで「全く変わってない訳ではない。しかし意外と分かりにくい」というところで全員の意見が一致した。
ブラックのコーヒーは「コーヒー感」が強くて何かに到達した感じがあるけど、コーヒーフレッシュを入れるとその手前までしか来ない。
リアルな結論に
さらに分かりにくくはなったけど、相変わらず「全く変わらない」というほどではない。あとコーヒーが冷めてきて味の差が分かりやすくなった。
結論を出そう。コーヒーフレッシュを入れたコーヒー、全く味が変わってないという訳ではないが、目隠しして飲んだら迷うぐらいには分かりにくい。
コーヒーフレッシュを入れたコーヒー、全く味が変わってないという訳ではないが、目隠しして飲んだら迷うぐらいには分かりにくい
消費者庁が動くほどではなかったが、全然違うとも言い切れない、という結果になった。リアルだ。
悪い人じゃない、いやむしろ好きなんだけど、この気持ちを恋愛感情と捉えていいかまだ分からない、みたいな感じか。この世は煮え切らないことばかりである。
分かったこと
- コーヒーにコーヒーフレッシュを入れると味が変わる
- ただ、色の変化ほどは変わっていない
- 匂いの変化の方があるのかも
- 目隠ししたり鼻をつまんだりするとより分かりにくくなる
- 冷めると味の違いが分かりやすくなる