飛行機内でとなりの席に放尿した銀行重役が失踪→逮捕→クビに

GIZMODO

世界にVP(副社長)は数あれどVPeeは彼ひとり。

ニューヨーク発ニューデリー行きエア・インディア102便ビジネスクラスの機内で前後不覚になるまで酩酊し、後ろに座っていた女性客(72)に放尿した米大手銀ウェルズファーゴ銀行ムンバイ支店 Shankar Mishra 総務担当バイスプレジデントが逃亡先で逮捕され、勤務先をクビになっていたことが明らかになりました。

放尿発生の経緯

トイレと間違えたのか、そういう性癖なのか。理解に苦しむ事案ですが、事件が起こったのは昨年11月26日のことなので少し前です。被害者はいったん見逃してあげようと思ったようなのですが、男性と航空会社の甘い対応に触れ、これを野放しにしてはならないと考えを改め、今ごろになって完全暴露に踏み切ったというわけです。以下の画像が告発内容。

ランチが終わって消灯された直後にそれは起こりました。8A席の男性客が完全に酔っ払って、9Aの私の席まで歩いてきてパンツのファスナーを下げ、私めがけて尿をかけたのです。

そのまま突っ立っているので、隣の人が肩を叩いて自分の席に戻れと言うと、よろよろ戻っていきました。

最悪なのはこの後の対応です。

服も靴もバッグも尿でびしょ濡れ。バッグにはパスポートと渡航必要書類、紙幣も入っています。乗務員にすぐさま事の次第を伝えたのですが、乗務員は頑として触ることを拒んで、バッグと靴に消毒スプレーを吹き付けて、私をトイレに連れていって機内用パジャマと靴下を渡しただけです。

席を変えるようにお願いしても、満席だの一点張りで聞き入れてもらえませんでした。同情したビジネスクラス乗客の方が、ファーストクラスなら空いている席がいくつかあると言ってくれたんですが、ファーストクラスに座らせることは機長判断で却下されたと言うばかり。

しょうがないので20分間機内に立っていました。そのうち乗務員の上の人が業務用の小さな席に案内してくれたので、2時間ほどはそこに座っていましたが、あとは元の席に戻るよう言われました。シーツを被せていましたが、びしょびしょで悪臭が立ちこめています。

座るのを拒むと、乗務員用の席に案内されて、残りのフライトはそこに座っていました。

拭きもしないでスプレー吹き付けるって、もう目に見えるようですよね。掃除は私の仕事じゃないと言わんばかりです。上の人の対応も最悪でした。

やがて乗務員の上役が来て、「どのような事態の収拾を望まれますか?」と聞かれました。到着先の空港の警察にすぐ逮捕してもらってくださいと言うと、地上乗務員に事情を伝えるよう言われたので、もちろんそのつもりですと答えました。

酔いが醒めて我に返った男性が謝りたがってると言うので、関わり合うのは2度とごめんだ、顔も見たくない、到着先で逮捕してもらえればそれでいいとキッパリ断ったのに、こっちの希望そっちのけで連れてきて、対面の乗務員席に座らせたのです。

男性はいきなり泣きながら謝って、妻と子どもに迷惑がかかってしまう、それだけは避けたい、どうか告発だけは思い留まってくれとすがりついてきました。それじゃなくても心はズタズタなのに、こんな狭いところに加害者と閉じ込められて交渉なんて精神的に限界でした。

彼のやったことは決して許されるものではないものの、ショックとトラウマで気が動転していたところにこんなに手を突いて謝られると、なかなか逮捕・告発で押し切ることはできないと感じるものです。

エア・インディアに靴と服の弁償を要求したら、当社は一切関係ない、男性側の負担になると言われたので、電話番号を伝えてもらって、後に靴代とドライクリーニング代が振り込まれてきました(男性のお金は受け取りたくなかったので、後でお返ししました)。

謝って穏便に済ませてもらえれば航空会社も安泰と思ったんでしょうけど、対面で座らせるってどういう神経なんでしょうね? 一生トラウマになるわぁ…。

女性は告発文を航空会社を所有する会社の会長に送りつけ、それをインド現地紙が報じ、ドイツの国際メディアDWなどを介して世界中に拡散して今に至るというわけです。エア・インディアは2021年秋に国営からインド最大の財閥タタ・グループ傘下に入ったので、タタ財閥の会長の手にこの告発文が? ガクブルですね。

行方を暗ませる

弁償したお金が熨斗(のし)つけて返されたところで、男性も赤信号が灯ったんでしょう。1月に入ると男性は携帯電話の電源を切って失踪。そのうちバンガロール市内でクレジットカードを使って居場所が特定されて逮捕と相成りました。ひたすら、みっともねえ…。

インド航空が航空局にインシデントを報告したのは、和解が物別れに終わってからなので、発生から1か月以上も経過してからでした。

本人が謝ったんだから解決したでしょ?という被害者の心情を無視した事なかれ主義もさることながら、到着時に身柄を確保しなかった点については、インド航空安全所轄局も「プロとしてあるまじき行為」と苦り切っています。

Source: DW, NY Post

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