2023年 CES に登場の美容ガジェット:AI、パーソナライズ、ロボットメイクなどが話題

DIGIDAY

ラスベガスで開催される今年のコンシューマー・ エレクトロニクス・ ショー(Consumer Electronics Show、以下CES)では、スマートTVやラップトップ、家庭用ロボットに加えて美容ガジェットがまた並ぶことになる。

全米民生技術協会(CTA)年次イベントであるCESにはいつも美容関連テクノロジーが登場しており、ロレアルグループ(L’Oréal Group)やアモーレパシフィック(Amorepacific)などの大手企業が新技術を定期的に発表する場となっている。1月5日〜8日に開催された今年のCESでは、パーソナライズできる製品ミキシングやコンピューターによるメイクアップ施術などのテーマに注力したAI技術を使ったローンチに注目が集まっている。

アモーレパシフィックのローンチと受賞

Kビューティコングロマリットのアモーレパシフィックは、今年、カスタマイズ製品にフォーカスした2つのローンチにより4年連続でCESイノベーション(CES Innovation)アワードを受賞した。同社のオートマティックカラーマスター・バイ・トーンワーク(Authentic Color Master by Tonework)は、ユーザーが自分の顔をスキャンすると、AI顔認識技術を利用してロボットアームがパーソナライズされたファンデーションとリップシェードを作成するものだ。また、同社の家庭用コスメチップ(Cosmechip)デバイスはカスタマイズされたスキンケアを作成する。スキンケア成分と水と一緒に乾燥した「チップ」を機器に入れるとその場でスキンケア製品が作れる。

アモーレパシフィックのR&Iセンター所長であるパク・ヨンホ氏は次のように述べている。「世界の顧客はいま『ハイパーパーソナライゼーション』と『自分中心』のトレンドを生み出しており、オーダーメイドの美容市場はビューティ技術の目覚ましい発展に支えられて大きな成長の可能性を秘めている」。

ロレアルの自動メイクアップデバイスのプロトタイプ

ロレアルグループのCESローンチには1月3日に発表されたプロトタイプ2点があり、メイクアップの自動施術にフォーカスされている。同社のハンドヘルドのHAPTAデバイスにより手や腕の動きに制限がある人々にコンピューターを使って口紅を塗る方法が提供されている。

ロレアルグループのCEO、ニコラス・ヒエロニムス氏はこのデバイスに関する発表のなかで次のように述べている。「ロレアルにとって美の未来はインクルーシブである。そして、そのような未来はテクノロジーによってさらにアクセスができるようになる」。

HAPTAデバイスに使われているテクノロジーは、アルファベット社(Alphabet Inc.)のヘルステック企業であるヴェリリー(Verily)によるものだ。これは、ヴェリリーが自社のリフトウェア(Liftware)食器向けに最初に作成したもので、手の震えや可動性に制限がある人が使うときに自動的に安定性が高まるように設計されている。この口紅アプリケーターはそれと同じスマートモーションコントロールを使い、カスタマイズできるアタッチメントにより可動域を向上させている。

また、ロレアルはブロウマジック(Brow Magic)と呼ばれる眉メイク施術のプロトタイプも発表した。ユーザーは、ロレアルが所有するAIビューティアプリのモディフェイス(Modiface)で自分の顔をスキャンし、理想的な眉の形や太さ、効果を選ぶ。そして、デバイスを顔にかざすと、2400個のノズルが1インチ(約2.5cm)あたり1200滴の眉メイクを「印刷」してメイクを作成する。非永久的なタトゥーのスタートアップ、プリンカー(Prinker)の技術を利用したこのデバイスの眉毛アートは通常のメイクリムーバーで洗い流すことができる。

CESで発表される美容プロトタイプのいくつかは市場に出回る予定である。HAPTAデバイスは今年ランコム(Lancôme)で提供される予定があり、同社のプレスリリースによるとブロウマジックは「2023年にローンチ予定」ということである。

店舗で経験できるアモーレパシフィックの技術

一方、アモーレパシフィックは長年にわたりCESで発表した複数のテクノロジーを店舗で展開している。顧客は、明洞ショッピング街にあるラネージュ(Laneige)ショールーム、新村のエチュード(Etude)ストア、アモーレ聖水の未来的な旗艦店、アモーレパシフィックの本社などソウルの店舗ですでにトーンワークの技術を試すことができる。同社は「当社のブランドと協力してカスタマイジングサービスのために顧客接点を拡大することに」フォーカスしているとパク氏は語っている。

市場進出後に失敗したプロトタイプも

市場に出回るこのようなプロトタイプの結果はまちまちである。たとえば、プロクター&ギャンブル(Procter & Gamble)の600ドル(約8万円)のオプト(Opte)スキンケア機器は2020年に市場に進出したが、現在は業務停止している。2年前のCESでプロトタイプとして初発表されたオプトは、CES2020イノベーションアワードや複数のアルーア・ベスト・オブ・ビューティ(Allure Best of Beauty)アワード、タイム・ベスト・インベンションズ(Time Best Inventions)アワードを受賞して当初話題になった。

オプトのウェブサイトには事業の「一時停止を決定した」と記されており、99ドル(1.3万円)のセラム詰め替えキットは2023年1月15日以降は入手できなくなる。オプトのインスタグラムにはこの機器に高額を払った消費者からの怒りのコメントが寄せられている。昨年購入したばかりなのにというコメントや、「高価なツール」なので詰め替えキットを終了するのは「正しくない」というコメントなどが見られる。

ロレアルグループは、2012年にグローバルテクノロジーインキュベーター(Global Technology Incubator)を設立して以来、CESでプロトタイプを発表しているが、過去には市場に投入した製品もある。同社のイヴ・サンローラン・ボーテ(YSL Beauty)の299ドル(約3.9万円)のカスタムリップスティックメーカーはサイトに掲載されているが、現在は販売されていない。また、ニュートロジーナ(Neutrogena)のカスタムシートマスク用のマスクID(MaskID)システムは2019年のCESで発表され、2020年第3四半期に発売予定とされていた。この製品はニュートロジーナのサイトのEメール登録ページにまだ掲載されているが、注文することはできない。

[原文:CES 2023’s beauty gadgets: AI, personalization and robot makeup among items unveiled

LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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