NVIDIA、GeForce RTX 4070 TiのAICボードとRTX 40シリーズ搭載ノートPCを展示

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NVIDIAの展示会場に展示されていた「GeForce RTX 4070 Ti」を搭載したAICパートナーのボード

 NVIDIAは1月3日午前(米国時間)に、CESのデジタル・プラットフォームを利用して記者会見を行ない、GeForce RTX 40シリーズの現時点の最廉価モデルとなる「GeForce RTX 4070 Ti」およびノートPC向けの「GeForce RTX 40シリーズ」を発表した。

 その発表後に、ラスベガス市内の会場でGeForce RTX 4070 TiのAIC(Add In Card)パートナーの製品が展示されたほか、ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズのGPUを搭載したノートPCのシステムなどが展示された。

NVIDIAの展示会場で多数の「GeForce RTX 4070 Ti」搭載AICパートナーのカードが展示される

NVIDIAの展示会場で展示されたAICパートナーのボード

 GeForce RTX 4070 Tiは、元々Ada Lovelaceアーキテクチャが発表されたときに「GeForce RTX 4080(12GB)」と名付けられていたが、名前を変えて登場することになった。当時の市場想定価格は899ドルだったが、名前が変わったことにより100ドル値下げされて799ドルの市場想定価格になっている。

 NVIDIAはデスクトップPC向けのGeForce RTX 40シリーズに、今のところ3つのダイを用意している。先行して発売されたGeForce RTX 4090が「AD102」、GeForce RTX 4080 16GBが「AD103」、そして今回発表されたGeForce RTX 4070 Tiが「AD104」になる。それぞれの演算器の数などを以下の表にまとめた。

【表1】GeForce RTX 40シリーズのスペック
製品名 GeForce RTX 4090 GeForce RTX 4080 16GB GeForce RTX 4070 Ti
ダイコードネーム AD102 AD103 AD104
GPC 11 7 5
TPC 64 38 30
SM 128 76 60
CUDAコア 16,384 9,728 7,680
メモリサイズ/種類 24GB/GDDR6X 16GB/GDDR6X 12GB/GDDR6X
メモリバス幅/データレート 384bit/21Gbps 256bit/22.4Gbps 192bit/21Gbps
メモリ帯域幅 約1TB/s 716.8GB/s 504GB/s
L2キャッシュ 72MB 64MB 48MB
トランジスタ数 763億 459億 358億
ダイサイズ 608.5平方mm 378.6平方mm 294.5平方mm
TGP 450W 320W 285W
発売 10月12日 11月 1月
市場想定価格 1,599ドル 1,199ドル 799ドル

 基本的なアーキテクチャは同じAda Lovelaceだが、たとえばGPCという単位で比較すると、AD102は11あるのに対して、AD104は5と、半分以下になっている。このため、性能ではAD102にはおよばないが、演算器が少なくなっているので、その分消費電力は少ない。

 なお、GeForce RTX 4070 Tiの性能に関してはすでにベンチマークを利用した評価記事が掲載されているので、詳しくはそちらをご参照いただきたい。

 GeForce RTX 4070 Tiは、NVIDIAブランドのカード(Founder Edition)は用意されず、製品はAICパートナーと呼ばれるNVIDIAのOEMメーカーからのみ提供される。そのため、展示会場ではAICパートナーのボードが多数展示されていた。

GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップを搭載したノートPCが多数展示される

ASUSの展示会場ではGeForce RTX 40シリーズ・ラップトップを搭載したノートPCが展示

 NVIDIAは同時に、ノートPC向けの外付GPUとなる「GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップ」を発表した。発表されたのはGeForce RTX 4090/4080/4070/4060/4050の各製品で、以下のようなスペックになっている。

【表2】GeForce RTX 40シリーズ・ラップトップのスペック
GeForce RTX 4090 Laptop GPU GeForce RTX 4080 Laptop GPU GeForce RTX 4070 Laptop GPU GeForce RTX 4060 Laptop GPU GeForce RTX 4050 Laptop GPU
CUDAコア 9,728 7,424 4,608 3,072 2,560
ブーストクロック 1,455~2,040MHz 1,350~2,280MHz 1,230~2,175MHz 1,470~2,370MHz 1,650-2,370MHz
ビデオメモリ 16GB 12GB 8GB 8GB 6GB
メモリバス幅 256bit 192bit 128bit 128bit 96bit
メモリタイプ GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6 GDDR6
GPUサブシステム電力 80~150W 60~150W 35~115W 35~115W 35~115W
NVエンコーダ 2x第8世代 2x第8世代 第8世代 第8世代 第8世代
NVデコーダ 第5世代 第5世代 第5世代 第5世代 第5世代

 表1のデスクトップPC版のスペックと比べてみると分かるが、ノートPC版のスペックは必ずしもデスクトップPC版と同じではない。

 たとえばGeForce RTX 4090で比較すると、デスクトップPC版はCUDAコアが16,384、ノートPC版はCUDAコアが9,728になっており、メモリバスが256bitであることなどと考えて、ノートPC版の4090はAD103である可能性が高いと言える。

 ノートPC版がデスクトップ版に比べると低いスペックになっているのは、ノートPCのスペースの問題で放熱できる熱量が少ないからだ。

 今回NVIDIAは、新しい第5世代のMax-Q(NVIDIAの熱設計と消費電力のバランスをとる技術)が導入され、プロセスノードも8nmから4nmへと微細化されたことなどにより、同じクラスの前世代と比較した場合、電力効率が3倍になっているとアピールしている。つまり同じ性能であれば消費電力が3分の1、同じ消費電力であれば性能が3倍ということだ。

 NVIDIAによれば、2月8日から順次販売が行なわれる計画で、Acer、Alienware、ASUS、Dell、GIGABYTE、HP、Lenovo、MSI、Razer、Samsungなどから搭載ノートPCが提供される予定だ。

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