カナダ発アウトドアブランド「Arc’teryx(アークテリクス)」のミリタリーライン「Arc’teryx LEAF(アークテリクス・リーフ)」が、2023年1月20日をもって一般販売を停止する。日本の正規輸入代理店を務める七洋交産(大阪府東大阪市)が22年11月7日、通販サイトで発表した。
世界情勢を踏まえた決定で、今後は軍・法執行機関・政府機関の所属者に対してのみ販売するという。同社に詳細を聞いた。
「軍事・戦略物資流通管理の一環として」
アークテリクスは、シェルジャケットやバックパックなど日本でも人気の高いアウトドアブランドだ。アパレル大手「BEAMS」やアウトドア店「オッシュマンズ」とのコラボ商品も展開している。
派生ブランドであるアークテリクス・リーフは、軍及び法執行機関向けとして展開された一方、一般消費者にも販売している。日本のサバイバルゲーム愛好家やミリタリーファンを中心に、迷彩ジャケットや膝当てなどの製品が支持されてきた。
同ラインを扱う七洋交産のオンラインショップ「FRONTLINE(フロントライン)」が発表した文書によると、アークテリクス・リーフ本社からの通達で23年1月20日以降、民生用としての購入ができなくなる。販売済みの製品のサポートは続けるとする。
今後、購入可能なのは「自衛隊、警察及びその他の法執行機関又は政府・自治体とその機関に所属しIDとID番号の提示をしていただける方のみとなります」。理由と併せて次のように報告している。
「この変更は昨今の世界情勢の状況を踏まえ軍事・戦略物資流通管理の一環として全世界のARC’TERYX LEAF流通に対し一斉に実施されます」
発表を受けてツイッターでは「一部の服オタとミリオタが震撼するお知らせだ」「ニーパッド買い足しておかなければ」といった反応が広がっているほか、「こんなところにもロシアのウクライナ侵攻の影響が」と推し量る声もでている。
七洋交産の広報は10日、通達は11月に受けたとJ-CASTニュースの取材に答えた。同社だけでなく全世界の販売店・代理店に反映されるものだとし、「OutdoorラインとLEAF(ミリタリーライン)をより厳密に区別し販売していく新たな販売方針となります」と説明。
先の発表にあった「昨今の世界情勢」がロシアによるウクライナ侵攻を指すのか、また製品の流通にウクライナが関係するか尋ねたところ、メーカーから通達された情報以外は一切持っていないとする。