最強のアンテナや受信機を使ったときの誤差、たったの数センチ。すげー。
僕らがいつもGPSと呼んでいる測位システムですが、山奥や高層ビル街では電波が届かなかったり反射したりして、精度が大幅に下がってしまい、現在位置がどこだかわからなくなることがありました。けど、今は違うよ! GNSS対応のナビシステムなどなら、アメリカのGPS衛星だけではなく、ロシアのGLONASS、中国のBeiDou、欧州のGalileo、そして日本のみちびきが使えるからね。
みちびきは準天頂衛星と言われるもので、ほぼ日本の真上から僕らやクルマや街を見ていてくれる衛星群。いまは4機体制で運用されていますが、2026年度には5号機、6号機、7号機を配備。7機体制になる予定なんです。そうなると他国の衛星を使わなくても、めちゃくちゃ高精度な測位が可能になるんですね。
CEATEC 2024では、そんな準天頂衛星みちびきの測位情報を活用したさまざまな機材やサービスが展示されていました。いくつかピックアップしてご紹介しましょう。
なりすまし対策を装備したドローン
こちらは本来の目的地とは違うゴール位置情報を送り込むGNSSスプーフィング(なりすまし) 対策が可能な、信号認証対応ドローン「ChronoSky PF2-AE」です。
GNSSスプーフィングはロシア・ウクライナ戦争でも使われており、ドローンに限らず自動運転技術の大いなる敵なんですよね。でも、みちびきの電波しか信用しないCLAS対応受信機を使うことで対策ができるんです。確実で間違いのない次世代物流を支える技術として注目するべきっすね。
ゴルフの上達に必須かも
現在地からホールまでの直線距離ではなく、フェアウェイ経由ルートでの距離や、 グリーンの幅や奥行きの距離も教えてくれるゴルフナビ「Shot Navi」。誤差の補正情報となる、L1S信号を活用するサブメータ級測位補強サービスの賜物です。
グリーンの起伏をヒートマップで表示したり、グラブごとの気温を考慮した目安距離を教えてくれるなど、独自機能もおもしろい。 ゴルフ場専用だけど、ポータブルなナビってこんなにも進化していたのか…。
測量だって身近に
個人的にも使ってみたいのがこの「LRTK Phone」。スマホに接続して使う測量機です。誤差cm級で、撮影した写真の位置と方位を正確に記録できます。
他にも土量計算、座標誘導、そしてLiDARを積んだiPhone Pro系と合わせて使えば正確な位置情報を含めた点群スキャンもできちゃう。現実の場所と密接に連携したコンテンツがこのサイズで作れるようになるかもだなんて。時代の変化ってマジですごいや。
Photo: 武者良太