「一生使える高級マウス」のサブスクは需要ある? テック企業CEOと一般消費者の感覚にズレ

多種多様なものがサブスク化する現代。便利なものもあれば、こんなものまで?と言いたくなるものも。

1日の長い時間をじっくり握って過ごすマウスがサブスクされたら、人によっては喜ばしいことかもしれません。

米テックメディアThe Vergeのポッドキャスト番組に、Logitech(ロジテック)のCEO、Hanneke Faber氏が登場。いわく、マウスのサブスク化を検討しているといいます。

一生ものの高級マウス

マウスのサブスクといっても、物理的にマウスを取り替えるプランではありません。

「Logitechはマウスで作られた会社」と、会社にとっていかにマウスの存在が大きいかを語ったFaber氏の頭の中にあるのは、超高級マウス「Forever Mouse(フォーエバ・マウス)」のアイディア。高級時計を例に、高級なものは人はあまり買い替えない傾向にあるというのがこのアイディアの出発点です。

Forever Mouseは名前の通り、一生使えることを想定したマウス。通常のマウスより少し重く、美しいデザインで高級感を演出。ソフトウェアアップデートができる仕組みにして、常に最新状態で使えるようにしたいとのこと。Faber氏は、このビジネスモデルが難しいチャレンジなるだろうとした上で、それでもビジネスが成功するなら、その鍵はソフトウェアにあると語りました。

ちなみに、ポッドキャスト番組のホスト役でありThe Vergeの編集長でもあるNilay Patel氏は、Forever Mouseの価格を200ドル程度と予想

マウス、10年使ってますけど?

200ドルのForever Mouseの米Gizmodoの記事には多くのコメントがついており、その大部分は「今のマウスで困ってない」という冷ややかなもの。

「30ドルのマウスを10年使ってるけど何も問題ないよ。ソフトウェアアプデとかないけど動いてるし」

「マウスってそもそも頻繁に買い替えないものでは? 今使ってるのは5年目で、前のは10年使ってた」

…だよね。

同ポッドキャストではAIについても触れられており、Faber氏はこう語っています。「(AI時代到来でも)人間とテクノロジーのなんらかのインターフェースは必要だと考えます。ただ、それは今のLogitechが販売するものとは異なる形かもしれませんけれど」

ウェアラブルAIでスマホもいらない。脳チップ埋め込みでキーボードもマウスもいらない。Faber氏は、そんな時代でのビジネスを模索しているのかもしれません。