トンデモナイ感じがするけど科学的な話 4選

「えっ、なにそれ?」

そんな風に思ってしまう、あまり聞いたこともないような話が科学の世界には転がっています。

新しい発見を中心に、4つ、ご紹介します。

1. 古代エジプトのミイラは寄生虫だらけ

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Image: Ttatty / Shutterstock.com

およそ2/3のエジプトのミイラが、何らかの寄生虫に寄生されていたとわかりました。身体の中から頭髪までいろんな虫がワンサカ。当時のナイル川周辺の環境の悪さが伺い知れます。

エジプトには、王の墓が集中している「王家の谷」という場所がありますが、この王家の谷で発見された16体のうちの4体がマラリア原虫に感染していてマラリア陽性だったそうです。

ちなみにその中にはあの有名なツタンカーメンも含まれていて、異なる2種類の株に感染していたことがわかっています。まぁ、直接的な死の原因は戦車からの落下であって、マラリアではないのですが。

ケンブリッジ大学のピアーズ・D・ミッシェル氏によると、マラリア検査を受けた221体のミイラのうち49体が陽性で、「ナイル川沿の集落では、幼児の死亡と重度の貧血にマラリアが関係している」と書いています。寄生されていたミイラの92%に貧血の兆候が見られているそう。

シラミに感染していた人も多く、その数は40%でした。また、トキソプラズマにも感染しているものもいたため、崇拝の対象だったネコから感染した可能性も考えられているみたいです。

なんでこんなに寄生虫に感染しているのかというと、原因はどうやらナイル川。マラリアを媒介する蚊がナイル川流域で繁殖していて、熱帯性の水媒介寄生虫の感染経路になっていた可能性があるとのこと。

2. 実はカビだらけな国際宇宙ステーション

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Image: NASA

国際宇宙ステーションと聞いても、宇宙の中継地点とか、いろんな研究をする場所、というざっくりとしたイメージしかないかもしれません。

国際宇宙ステーションは地球を90分かけて一周していて、過去25年間、断続的ではありますが、ずーっとその軌道を維持しています。トイレの故障、空気漏れなどちょこちょこ故障はありますが、それでもずっと動き続ける宇宙実験室として活躍しています。

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Image: NASA

そんな国際宇宙ステーションで、クルーたちはカビとの戦いを続けています。高い湿度、重力の不足、閉鎖された環境のため、ここでは地球よりもカビが早く繁殖するのです。このカビを除去するには、特定の清掃手順が必要なんだそう。

閉鎖された生息地における微生物の成長に関する研究も同時にされています。

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Image: NASA

また、国際宇宙ステーション内はけっこう臭いそうです。内部の空気はフィルターで常に清浄されてはいますが、クルーは内部のにおいを、オゾン、火薬、殺菌剤、ゴミ、体臭、病院、焦げた金属の匂い、そして「失敗したバーベキュー」などと表現しています(しばらくすると慣れるそうですが)。

3. リチウムを含んだ「黄鉄鉱」をめぐって現代版ゴールドラッシュが起こるかも

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Image: Shutterstock

パイライトあるいは黄鉄鉱。鉄と硫黄から成る鉱物ですが、見た目のゴールド色から金とまちがわれることがあり、「愚者の黄金」と言われることもあります。

が、この愚者の黄金は現代では全然愚者ではありませんでした。

約3億9000万年前にアメリカのアパラチア盆地で形成された15の岩石。そこからリチウムが発見されたからです。

リチウムは電池を作るのに必須であり、クルマからパソコンまで幅広い製品のバッテリーに必要。特に電気自動車の普及でその需要が非常に高まっています。

研究チームの論文にはこうまとめられています。

「リチウムは有機物に富んだパイライト岩の中に隠されているのかもしれません。パイライトはアパラチア盆地で一般的なミネラルであり、もしリチウムが経済的に採掘できるとわかれば、この場所がパイライトの採掘場となる可能性もあります」

新ゴールドラッシュの幕開けとなるかもしれません。

4. シャチが強すぎて海の生態系が崩壊しはじめる

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Image: Christiaan Stopforth, Drone Fanatics SA

南アフリカ沖のシャチを研究している研究チームは最近、1頭のシャチがたった2分でホオジロザメを捕食する様子をとらえたそうです。

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Image: Christiaan Stopforth, Drone Fanatics SA

シャチはホオジロザメのおいしさに味を占めているよう。肝臓だけ食べられたサメの死体がいくつも浜に打ち上げられています。

ローズ大学の海洋生物学者で研究の主著者Alison Towner氏はリリースで以下のように述べています。

南アフリカでは以前と同様に、シャチはホオジロザメの脂肪が豊富な肝臓をえぐり取り食べるという強い傾向を示しています。これは特殊な摂食行動です。この目撃は、少なくとも1頭のシャチが単独で狩りをしている証拠を示し、この地域で知られていた集団での狩りの行動に変化が出ています

シャークスタディーセンターとシエナ大学の研究者で著者のPrimo Micarelli氏は、以下のようにコメントしています。

南アフリカを20年以上毎年訪れてきて、シャチが地元のホホジロザメの個体群に与える深刻な影響を観察してきました。スターボード(有名なシャチ個体、名前がつけられている)がサメの肝臓を私たちの船の前を運んでいるのを目撃したことは忘れられません」と述べています。

シャチに対する畏敬の念もありますが、それよりもはやり沿岸の海洋生態系のバランスについて心配しています。

サメに付けられた追跡タグや目撃データによると、シャチのせいで、ホホジロザメは沿岸の特定の地域を訪れなくなったとされています。つまり、お腹を空かせたシャチが生態系の食物連鎖に影響を与えているということです。

昨年末、オーストラリアの海岸にも肝臓のないホホジロザメが打ち上げられ南アフリカ以外のシャチもおいしいところだけ食べる狩りの方法を学んでいることが判明しています。

他にもシャチは、地球最大の大きさとされるシロナガスクジラでさえも捕食し、人間が乗る船も攻撃するという行動をしているのです。

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