NASA、「月の標準時」設定の準備はじめました

人類が外惑星に進出する日はもうすぐです。

正確で安全なミッションのために

実はこの話題、2022年の11月ごろからESA(欧州宇宙機関)からも必要だよね!と発案されていました。

月に標準時が必要な理由はざっくり言うと、GPSを機能させるため。時間が決まってないとGPSがうまく機能させられなくて、位置の特定ができないからなんです。というかその前に、月を周回する人工衛星がない…。

月への人工衛星設置と人類を送る計画が背景に

そもそも私たちが普段使っているGPSも、人工衛星のおかげで成り立っています。位置の特定には地球のスマホと宇宙にある人工衛星の時間差を計算して位置を割り出しているのですが、月には軌道上を周回する人工衛星がありません。そのため、月を周回する人工衛星を配備しようよ、という計画が立ち上がりました。その名はムーンライト(Moonlight)計画。現在ESAが推進していて、ナビゲーションシステムや通信システム構築を目指しています。

そしてムーンライト計画で構築した衛星を使って人類を月面に送ろうという計画が、NASA(アメリカ航空宇宙局)が推進しているアルテミス(Artemis)計画です。月面着陸船建設の契約はSpaceX(スペースエックス)が勝ち取っていて、そのミッションで使用される予定のかっけえ宇宙服も昨年お披露目されました。

と、ここまでGPSのお話でしたが、そもそも時間が決まっていないとしたら、連絡を取り合って集まったり、一緒に観測をする時に「何時集合(開始)で! 」と決められないのはかなり不便ですよね。だからこそ月標準時を設定する議論が盛り上がりをみせているんです。

誰が決めるのか

必要なんだったらちゃちゃっと決めちゃえば?と思ってしまいますが、そうもいかないようです。

標準時の定義には、国際的な協調が必要なようです。欧米だけで決めちゃうと他の国が使いにくかったり、月の方が地球より重力が小さいので、定義する原子時計は地球に置くの? 月に置くの? だったり……いろいろ議論すべきところが多くあります。

そのあたりを含めて、NASAは2026年末までに「月の標準時」策定の計画をまとめるとしています。いずれ「月旅行から帰ってきたばっかりで、月と地球の時差ボケが〜」なんて言う日も近いかもしれませんね。

Source: NHK, WIRED