年末年始ははカオスの世界へ。
時間があり余る年末年始のお休み期間。面白い映画を探している方にオススメしたいのが『パプリカ』です。
しかも、1時間半でサクッと観られる名作なのです!
「夢と現実」をテーマに描くサスペンス映画
本作は、『PERFECT BLUE』や『東京ゴッドファーザーズ』などで知られる今敏監督による2006年のアニメ映画。
主人公は、精神医療の研究者である千葉敦子。夢にダイブするデバイスによって患者の夢に入り「パプリカ」という名前でセラピーを行なっていました。が、ウイルスのように夢に侵入・汚染するテロリストがいるとわかり、夢と現実を交差しながら犯人を追っていく、という、SFサスペンス映画です。
見どころとしては、「夢と現実」をテーマに今敏が描くポップなキャラクターやビジュアル。一方で、そのビジュアルが氾濫して悪夢のようなカオス的イメージを生み出しているのが本当に圧倒されます。
また、物語は次第に夢と現実が交差して混じりあっていきます。そのなかで敦子のアバターであるはずの「パプリカ」が固有のアイデンティティーを獲得していくのも興味深い点。
さながらSNSやメタバースという感覚を持った現在の私たちのように、「仮想空間と現実で同じ自分だけどそれぞれ固有のパーソナリティーを持っている」といった感覚を「敦子≒パプリカ」というかたちで表現しているのは、公開当時になんだかすごい、と感じたのを覚えています。
1時間半でサクッと観られるので、圧倒的なビジュアルと想像力にぜひとも酔いしれてください。