Googleは本日新製品イベント「Made by Google」にて、新たなスマートフォン「Pixel 8/8 Pro」を発表しました。
カメラの性能向上、温度センサーの追加、Google Tensor G3プロセッサ搭載などなど、アップグレードしたスマホになっているようです。
なかでも気になったのが、これまで以上にAIに適用したスマホになっていること。Pixel 8では端末自体をAI中心に設計しており、AI処理をサクサクできるようになっているとGoogleは強調しています。
そして、そのAIに関して新たな機能「Assistant with Bard」が追加されることも発表されました。Googleのチャット型生成AIとしてブラウザでも使用できた「Bard」をGoogleアシスタントと統合。
Pixel 8ではこのAssistant with Bardを活用して、アプリの操作などを対話形式で便利に動かせるようになるとのことです。
今回は、このAssistant with BardとPixel 8の新機能を見ながら、AIが代わりにやってくれるようになることをご紹介していきます!
未読メールを探す
最初に紹介するのは、Gmailの未読メールの要約です。
Assistant with Bardに「今週届いた重要メールで見逃してるの教えて」と入力します。
すると、その未読メールが誰からきたどんなメールかを簡単な要約文にしてまとめてくれます。
重要な未読メールを探して、さらに内容をまとめてくれるってめちゃくちゃ便利! わざわざGmailを開かなくていい!
いちいちGoogleマップでルート検索
さて、届いたメールの中で誕生会のお誘いがありました。
続けて「誕生会はどこでやるの?」と質問すると、そのままGoogleマップで地図を表示してくれるのです。
さらに、現在地からどれくらいかかるかを聞けば、Googleマップで経路を検索するように、ルートの表示と所要時間を教えてくれます。リアルタイムの交通情報なども表示してくれるようです。
リストを作成してGoogleドキュメントにする
チャット型のAIではおすすめや情報の要約などをリストアップしてくれますが、Assistant with Bardではさらに共有も簡単に行なえるようです。
イベントのデモでは週末のパーティーに必要な「10人分のおかしのおすすめとスムージーに必要な材料」を聞いています。すると細かくおすすめのおかしやスムージーのレシピなどを提案してくれています。
さらに、そのリストをGoogleドキュメントとして新規作成することも可能。
そのほかにも、そのままGmailの文章として送信することも可能なようです。いちいちコピペしたり別のアプリを開かずに、ワンタップでできるのは便利ですね。
看板から行くべき方向を判断する
上述のGoogleマップ表示のような機能が写真からも利用できるのです。
たとえば、目的に向かって歩いているときにどっちにいくべきか、と迷ったときに近くの看板を写真に撮ってどっちに行けばいいか聞くだけで、ベストなルートを提示してくれます。
画像の情報や現在地から提案をしてくれるのはもちろん、自分の状況などを詳細に入力すれば、それらを踏まえてベストな選択をしてくれるようです。
写真のSNS用キャプションを作成する
写真からの機能をもうひとつ。
撮影した写真に合うキャプションを作成してくれるのです。
イベントのデモでは「自分の飼っている子犬をSNSで紹介するキャプションを作って」としています。すると、即座にその写真から最適な文章、そしてSNSに合うようなハッシュタグや絵文字も含んだキャプションを提示してくれていますね。
当然これらも追加でアクション可能なので、そのままSNSにシェアもできますね。
複数のGoogleアプリをいったりきたり
さて、改めてこのAssistant with Bardはこのアプリ1つで複数のGoogleアプリを使えるということを強調したいです。
GmailやGoogleマップ、Googleドキュメントなどをいちいちアプリを切り替えなくても、Assistant with Bardを操作するだけで一連の作業が行なえるのは非常に便利です。なによりアプリ間を移動する手間が省けるのはすばらしい。
それぞれのアプリの中にある情報を汲み取って別のアプリ上で反映させたりというのも便利です。
ちなみに、このAssistant with Bardのアプリに関してはですが、Pixel 8だけでなく別のAndroidスマホやiPhoneでも使えるようになりそうです。Android版、iOS版ともにリリース日は未定のようですが、今後数カ月の間にはリリースされる可能性があるとのこと。
電話の応対や音声のまとめ
Pixel 8では、ほかにもAIを活用した新機能が登場しています。
1つは、迷惑電話など不要な電話だと判断して自動で対応してくれる、というもの。こちらは、かかってきた電話に対し合成音声で応答するようです。その電話の内容を判断し、不要であればそのまま自然に電話を終わらせてくれるのです。
相手の用件から重要だと判断すれば電話をつなぐ、ということも可能です。不要な電話の応答なんて本当にめんどうな作業ですから、応対してくれるのはとても便利ですよね。
さらに、音声録音・レコーダーアプリにも便利な機能を追加するようです。
レコーダーアプリに録音した音声から要約を作成してくれるというもの。たとえば、会議の内容を録音しておいて議事録を作成する、タスクや予定などを録音しておけばまとめてくれる、といったことができる、と考えたらかなり便利だと思いませんか。
こうしたテキスト入力が手間となる作業を録音するだけでポイントをまとめて文章にしてくれるなら、とても素晴らしい機能です。
生成AIの便利機能は「始まったばかり」
Googleは、これらの機能に関してあくまで「初期段階にすぎない」ということを強調しています。今回のイベントで発表したものに加えて新たな機能を順次追加してくとも発表していました。
今回のPixel 8は「生成AIを標準搭載したスマホ」だといっています。さらに「オンデバイスLLM(大規模言語モデル)」ともいっており、これは言い換えるなら「端末自体にChatGPTが搭載している」ようなものでしょう。そう考えるとかなり先進的に思えます。
今回発表した機能だけでもかなりすごそうと感じますが、あくまでここは現時点での到達点にすぎないようです。今後近いうちに公開されるであろう新機能だけではなく、その先の進化まで気になりますね。
そうした期待を含めて、まずはPixel 8とAssistant with Bardの機能に触れて、それだけ便利なのか確かめたいと思います。
source: Google, 9to5Google