歯が生えてくる薬、日本で来年臨床スタート!

あ~あ、人間の歯もサメみたいに後から後から生えてきたらいいのに。

…と、インプラントの巨額請求に溜息ついてるあなたと私に朗報です。

大阪の公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院が、歯の再生治療薬を開発し、来年7月からの治験開始に向けて臨床ボランティアを募集中です。

Image: 公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

うまく歯が再生できれば、2030年に認可を取って実用化するのが目標です。最初は無歯症に苦しむ2~6歳児から。

歯が生えてくる薬は世界初ということで、海外でも結構注目されていますよ。

歯が抜けても生えてくるってどういうこと?

人間には生まれつき乳歯と永久歯のほかに「第3生歯」があるんですけど、昔の人は短命だったので永久歯で間に合っちゃって、第3の歯まで出番は回ってきませんでした。

研究班は第3の歯の成長を抑えている犯人を特定し(タンパク質「USAG-1」とほかのタンパク質との相互作用。USAG-1を生む遺伝子がないマウスは歯が余分に生えてくる)、これをブロックして副作用も出ない抗体を発見。

ペレットに投与してみたところ、歯の本数を増やすことに見事に成功。次は人間さまに!となったのです。

以下の動画の後半(2:18~)に登場するのが北野病院の高橋医師で、詳しく説明しています。

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Video: TBS芸能&情報まとめ / YouTube

マウスとペレットの実験結果は、2021年発表の論文で読めます。

歯がもう1セットある未来

来年7月の治験開始にあたり、高橋医師は「歯を生やすのは歯医者の夢。院生の頃からずっとそのテーマに取り組んできた。絶対にできると確信がありました」と、毎日新聞英字版)に力強く語っています。

頼もしい~。2030年まで生きる希望が湧いてきました、いやマジで。

あれだけ国を挙げて歯の矯正、定期健診、歯垢除去に励んでるアメリカでさえ、65歳以上の4人に1人は重度の歯牙欠損(残存歯数が8本以下。日本の80歳平均値並み)。

シニアの6人に1人は歯が1本も残ってない人です。第3の歯のセットがあったら人生変わりますよね! このクルマ1台余裕で買えるインプラントの請求書ともおさらばできるかも。

現在治験で募集しているのは、「先天性無歯症」の症状にお悩みの方々です。

問い合わせフォームはこちら。身近にいたら、ぜひ教えてあげてね♡

Source: 公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院