ソフトバンクグループで代表取締役 会長兼社長執行役員を務める孫正義氏は6月21日の株主総会で、急速に進化が進むAIへの規制について「必要である」との認識を示した。
孫正義社長はAIについて「悪い人が使うと原爆よりも怖い」とコメント。「(Open AIでCEOを務める)サム・アルトマン氏も規制は必要だと言っている」と述べた。
一方、行き過ぎた規制についても警鐘を鳴らした。「自動車にも最高速度などのルールがあるが、悪い面を恐れるあまり、自動車は悪いものとしてガチガチに規制するのは行き過ぎ」とした。
また、映画「ターミネーター」シリーズではAIが人類に反旗を翻す様子が描かれた。このように、AIが人類に災いをもたらす可能性について孫正義氏は「私も映画は見たが、可能性はある」とコメント。一方で、「AIが単なる道具で終われば、数%の人に悪用されるかもしれないが、AIは単なる道具ではない」とし、AIが知性だけでなく理性を持ち、AI自らがAIを律する存在となることで、災いを防げるとした。
投資戦略「反転攻勢は近い」
今後の投資戦略については「5兆円を超える現預金が手元にある」としたうえで「反転攻勢の時期が近づいている」とコメント。また、自身はArmのAIビジネスの仕込みに注力しているとした。
自身の生活については、ここ8カ月間はクリエイティビティを優先したという。その結果、8カ月間で630件の発明をこなしたと明かし、発明を管理するための特許事務所も設立したと述べた。また、「発明の大半は駄作」としつつ、いくつかは人類の未来に影響する価値があると豪語した。さらに、いくつかはAIの感情形成に関する発明だとも明かした。
自身の後継者については「まだ引退したくない」と延べ、後継者探しはまだ先のことだと述べた。