メモ
プロジェクトを開始したのに完遂できなかった、というのは決して珍しい話ではありません。このことについて「残り10%にビビってはいけない」と、数々のプロジェクトを手がけてきた開発者のアーロン・フランシス氏が、プロジェクトを完遂するための手引きを示しています。
Finish your projects · GitHub
https://github.com/readme/guides/finish-your-projects
最初は可能性が無限に広がっているかのように感じたプロジェクトであっても、終わりが見えてくるころには単なる仕事の1つに思えるようになり、もはや情熱も興味もなくなって、「あとはつまらない部分だけ」となってしまい、新たなアイデアでさらに新しいプロジェクトを……と繰り返した結果、未完成のプロジェクトだけが山積みになる、というのはよくある話。むしろ、プロジェクトを始めただけ立派といえます。ただ、プロジェクトをゴールまで導いた人はそれより少ないのもまた事実。
フランシス氏はこの点について「仕上げには『労力』が必要」「仕上げには『勇気』が必要」という、2つのテーマを掲げています。
・仕上げる「労力」
通常、何らかのプロジェクトを始めるにあたっては「こういうことを解決したい」「こういうことを表現したい」という中核が存在します。プロジェクトの中核について考えることはとても楽しいものですが、いざ実現させようと思って動き出すと、やりたくない作業が発生します。
フランシス氏はこの「やりたくない作業」について「回避する方法はない」と述べ、最初のステップとして「プロジェクトを完了させるには、ある程度は不快な作業も必要になる」ということを理解する必要があると述べました。「最後まで楽しいわけではない」ため、最後の10%の進捗は、そこまでの90%にかかった時間と同じぐらいになることもあります。
フランシス氏も一般化できるほどのコツは持っておらず、あくまで自分のやり方として、「一定の時間を確保する」「何に取り組むかを事前に決める」「取り組むべき1つのことに全集中する」という方法を挙げています。
プロジェクトの最後の部分には近道はなく、ただただ「手を動かすこと」だというのがフランシス氏の見解。売れっ子コメディアンのジェリー・サインフェルド氏は、コメディアン志望の人たちのクラスを訪問したとき、「JUST WORK(とにかく働け)」という言葉を示したそうです。
ただ、「近道はなくても最適な方法ならある」というフランシス氏は、少しでも自分が有利になるようなやり方を作り上げるべきだと述べました。フランシス氏の場合、理由はわからないものの、1つの曲をリピートし続けるのが好きで、ときには何日間もかけ続けるとのこと。また、やるべきタスクを書いた付箋紙をPCのモニターに貼り付けることもあるそうです。それでも1日中順調というわけではなく、静かに過ごした1時間半のほうが、1日のその他の時間よりもはかどった経験もあるとのこと。
・仕上げる「勇気」
「プロジェクトを完成させる」ということは、そのプロジェクトを、そして自分自身を評価されるということでもあります。このため「まだここが不十分」と大して重要ではない部分をいじくり回したり、新しいアイデアに時間を費やしたりしてしまうことがあります。
フランシス氏はプロジェクトをリリースすることについて「過去と未来の自分への責任がある」と説いています。プロジェクトに費やした時間は、他の何かに費やすことができたかもしれない時間であり、自分の仕事と犠牲を尊重しなければならないため。そして、プロジェクトをリリースしないことにより「自分はリリースしないタイプの人間なのだ」と自分自身に言い聞かせてしまうことを避けるためです。
プロジェクトをリリースしたことにより、批判してくる人は確かにいるかもしれませんが、リリースした勇気を称賛する人はその10倍はいる、とフランシス氏は述べています。
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