イギリスとアメリカはいずれも英語が使われていますが、イギリス英語とアメリカ英語には細かな違いがあるため、状況によっては混乱が生じることもあります。新たに、イギリス在住のWindowsユーザーから「Windows 11の自動翻訳が適当すぎて、『Zipファイル(Zip file)』が『郵便番号ファイル(postcode file)』になっている」という報告が上がりました。
OH MY GOD I’d heard about Windows 11 calling a zip file a ‘postcode file’ in UK English because of really lazy translating but it’s ACTUALLY HERE ON MY PC like not even in beta this is actually happening right now in publicly available Windows pic.twitter.com/SeWPUxQIDu
— Jym (@JymFox)
Windows 11’s latest endearing mess rigorously and wrongly enforces Britishisms | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/windows-11s-latest-endearing-mess-contains-rigorously-enforced-britishisms/
ZIPはWindowsでよく使われるデータ圧縮やアーカイブのフォーマットのことですが、アメリカで採用されている郵便番号も「Zone Improvement Plan」の頭文字を取ってZIPコードと呼ばれます。人間であれば文脈で判別することができますが、自動翻訳などにかけると両者が混同されてしまう可能性もあります。
イギリス在住のJym(@JymFox)さんは2023年6月5日、「なんということでしょう。Windows 11の翻訳は非常に怠惰なので、イギリスやイングランドではZipファイルが『郵便番号ファイル』と呼ばれているという話は聞いたことがありました。しかし、これがベータ版でもない私のPC上に現れたのです。これは現在公開されているWindowsで実際に起こっています」とツイートしました。
Jymさんのツイートに添付されていた画像が以下。確かに、本来であれば「Compress to Zip file(Zipファイルに圧縮)」となっているべき部分が、「Compress to postcode file(郵便番号ファイルに圧縮)」と表記されています。
テクノロジー系メディア・PC Gamerのライターであるデイブ・ジェームズ氏は、自身もイギリス在住でありJymさんとまったく同じWindows 11と言語設定を使用しているものの、奇妙な自動翻訳は行われず「compress to Zip file」と表示されていると指摘しています。この点から、Microsoftがある種のA/Bテストを実施しており、いくつかの細かい機能について不特定多数を対象にテストしているのではないかと述べました。
Jymさんのツイートには、ソフトウェア関連の翻訳で生じた問題についてのリプライが多数寄せられています。あるAndroidアプリでは、英語からスペイン語への翻訳で「On/Off(オン/オフ)」が「Encendido/Apagado(明かりをつける/明かりを消す)」となってしまうため、タップ部分が大きくなりすぎて画面が見えないことがあるそうです。
You should see the translations we get in Spanish sometimes. My favorite will always be an android app that replaced “On/Off” with “Encendido/Apagado”, which would take ALL of the screen space and not letting me see what the settings were in my old phone.
— D.Inexistente | commission me (@DInexistente)
また、Xboxでは英語からオランダ語への翻訳で「free space(空き容量)」が「gratis ruimte(無料の部屋)」となってしまうとのこと。
Don’t get me started on the Dutch translations we get often – On Xbox they have an instances where ‘free space’ is translated to ‘gratis ruimte’. Which literally translates to ‘a room / space which you don’t have to pay for’.
— Garrodor / ガロドール / (@Garrodor)
この件はソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも取り上げられ、イギリス英語とアメリカ英語の翻訳で行き違いが生じた事例について話題となっています。
Windows 11 calls a zip file a ‘postcode file’ in UK English | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=36231313
あるイギリスの作家は自著がアメリカで出版される際、「イギリス英語の『flat(共同住宅)』をアメリカ英語の『apartment(アパート)』に書き換えても大丈夫か?」と尋ねられ、出版を滞りなく進めたかったため承諾したとのこと。すると、アメリカで出版されたバージョンでは形容詞の「flat」まで「apart」になってしまい、「He looked out over the flat landscape(彼は平坦な風景を見渡した)」が「He looked out over the apartment landscape(彼はアパートの風景を見渡した)」となっていたり、「Come with me’, he said flatly(『こっちへ来てくれ』、と彼はきっぱりと言った)」が「Come with me’, he said apartmently(『こっちへ来てくれ』、と彼はアパート風に言った)」となっていたりと、意味のわからない文章が誕生してしまったそうです。
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