NSAやCIAはファイルの「メタデータに基づいて人を殺す」、自衛方法は?

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写真であれば撮影日や撮影機器、ドキュメントであれば作成者や組織名などというように、世間にあふれるデータには「データに付属するデータ(メタデータ)」があることが一般的です。このようなメタデータを上手に管理し、可能な限り個人情報の露出を防ぐ方法を、ダークウェブについての記事を執筆するDarknetliveが紹介しています。

“We Kill People Based on Metadata” and Other Metadata Things | Darknetlive
https://darknetlive.com/post/former-nsa-director-will-kill-you-via-metadata/

2014年、ジョンズ・ホプキンス大学のシンポジウムにおいて、ジョージタウン大学の憲法学教授であるデビッド・コール博士と国家安全保障局(NSA)および中央情報局(CIA)の長官を歴任したマイケル・ヘイデン氏が「個人のプライバシーと国家安全保障との適切なバランス」について討論を行いました。

The Johns Hopkins Foreign Affairs Symposium Presents: The Price of Privacy: Re-Evaluating the NSA – YouTube
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その中でコール博士が「メタデータだけで所有者のすべてを知ることができる」と話したところ、ヘイデン氏がこれに同意し「その説明は全く正しい。我々はメタデータに基づいて人々を殺すのだ」と発言しました。この発言が示すように、情報収集にたけた人間にとっては所有者の死命を制することができるほどに、メタデータは個人のプライバシー情報を多く含んでいるとも言えます。

Darknetliveは「諜報機関のような巨大機関のデータ収集技術を完全に回避する方法が存在するとは思っていません。しかし、初歩的なレベルでメタデータを扱える貴重なツールがいくつか存在します」と述べ、メタデータを管理するツールを紹介しました。

mat2
mat2はメタデータ除去ツールで、avi・bmp・css・gif・jpegなど、一般的に使われる幅広いファイル形式に対応しています。

pdfparanoia
pdfparanoiaは学術論文用のPDF透かしを除去するツールです。出版社によっては機関名や個人名などの情報を論文の各ページに透かしとして挿入している場合がありますが、pdfparanoiaはこれを除去できます。

PDF Redact Tool
PDFファイルに含まれるメタデータを安全に削除できるとうたったツールです。ただし、Darknetliveが取り上げた時点ですでに開発が終了しており、GitHub上では代わりに以下の「Dangerzone」を使うよう推奨されています。

Dangerzone
Dangerzoneは、電子メールに添付されたファイルなどの信頼できるかどうか分からないドキュメントや画像ファイルを安全なPDFファイルに変換するツールです。サンドボックス内でドキュメントをPDFに、画像をピクセルデータに変換し、仮に悪意のあるコードが埋め込まれていたファイルでも安全に閲覧できるようにします。これは安全な領域内でドキュメントを印刷し、再スキャンするようなものだと考えることができます。


ExifTool
デジタルカメラで写真を撮影すると、撮影日時や撮影場所、シャッター速度やF値といった写真に関する細かいメタデータが記録されるのが一般的です。ExifToolはこのようなメタデータを読み書き・編集できるコマンドラインアプリケーションです。キヤノンやCASIO、DJI、FLIRといったメーカーのEXIFやIPTCといったさまざまな規格に対応しています。

Scrambled Exif
写真からメタデータを削除するAndroidアプリです。

Imagepipe
写真からメタデータを削除することに加え、解像度や品質の変更、画像編集が行えるAndroidアプリです。

A Photo Manager
写真を管理するAndroidアプリで、EXIFのメタデータを編集したり、メタデータから位置情報を取得して地図上にマッピングしたりすることができます。


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