誰?
ノーベル賞に何度も推薦されていたのに、あまり知られていない。「酸素」や「温度」という日本語を作った人なのに、あまり知られていない……。
地元には、地元の人だけが知っている偉人がまだまだいるはず……。
そんな地元の人だけが知っている郷土の偉人。教えて!
全国的な知名度はゼロだけど、地元の人はだいたい知ってる偉人
みなさん、郷土の偉人をご存知でしょうか。地元の人はみんな知ってる、みんなが尊敬している。でも、全国的な知名度はほぼ無い。という、地元の偉人です。
① 市や県が作る教科書の副読本には載ってるけれど、歴史などの教科書には載ってない。
② 地元に立派な銅像や顕彰碑があるけど、旅人がそれをみると「誰?」となる偉人。
そんな人を、ぼくにお知らせください!
地元でどんなふうに尊敬されているのか知りたいです!
……といっても、なにがなにやらわからないかもしれないので、以下ぼくが旅先でみつけた「地元では有名な偉人」を紹介します。
旅先で知って「誰?」となって、調べたらすごい人だった。でも、全国的にはあんまり知られていない……。そんな珠玉の「地元の偉人」です。
郷土の偉人の例
上田市・山極勝三郎(やまぎわかつさぶろう)
①なにをしたひと?
・世界ではじめて人工癌の造成に成功した人です。
・ウサギの耳にひたすらコールタールを擦り込んで人工的に癌を発生させ、癌の発生原因を明らかにしました。
②偉人エピソード
・人工癌造成の業績により、何度もノーベル賞候補になりましたが、結局受賞することはできませんでした。
・俳句や短歌をたしなみ「癌出来つ意気軒昂と二歩三歩」「転移なく移植ならねどなにかせん組織増あり破壊性あり」など、人工癌にまつわる句や歌を詠んでいます。
③地元からの慕われ度
・上田市立博物館が作った山極勝三郎の業績の本を、博物館で売っています。
・上田城公園に、記念碑と胸像があります。
・2016年には遠藤憲一主演で、山極勝三郎の業績をテーマにした映画(『うさぎ追いし山極勝三郎物語』)も作られました。
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(情報:西村まさゆき)
津山市・宇田川榕菴(うだがわようあん)
①なにをしたひと?
・津山藩の藩医で蘭学者。
・日本初の化学書『舎密開宗』を著した。
②偉人エピソード
・現在我々が使っている「酸素」「水素」「窒素」「炭素」「元素」「細胞」「圧力」「温度」「蒸気」「物質」「法則」などの熟語を考え出した。
・コーヒーに「珈琲」の漢字をあてた人ではないかと言われている。
・ガスの「瓦斯」というあて字も、宇田川榕菴の本に出てくるものが元になっている。
・6歳の時、高熱にうなされたとき、うわごとで唐詩を叫んだ。
・蟹の絵が得意で、両親は来客があると榕菴に蟹の絵を描かせて見せていた。
③地元からの慕われ方
・津山市には「津山市洋学資料館」があり、宇田川榕菴の銅像があります。
(情報:西村まさゆき)
いかがでしょうか。
地元では有名なんだけど、他の県の人に話したら「誰?」となる偉人。弊サイトライターにも聞いてみました。こんな感じで情報をお寄せください。
東京・玉川兄弟(たまがわきょうだい)
①なにをした人?
玉川上水を作った
②偉人エピソード
羽村から四谷まで、電車でも1時間以上かかる距離を水路で繋いだ
途中、なんども水を吸い込んでしまう難所があり、そこは「水喰土公園」という名前の公園になっている。読みは「みずくらいど」。
③ 地元の慕われエピソード
かっこいいポーズの銅像がある。有名だと思ったら東京以外の人は知らなかった
玉川上水に沿って走っているのが京王線
(投稿:林雄司)
出ました、玉川兄弟。ぼくは、東京に上京して初めてそういう人がいたことを知りました。
「ミズクライド」ってなんか、ボニーとクライドみたいでちょっとかっこいいですね。そう思うと、玉川兄弟の銅像が「俺たちに明日はない」と言ってるみたいに見えてきますね。
しかし、玉川って名字、偶然にしてはすごいなと思ってたんですが、玉川(多摩川)上水を作った兄弟ということで、お上から玉川の姓を賜ったんですね。因果関係が逆だった。
宮城・川村孫兵衛(かわむらまごべい)
江戸時代に伊達政宗の命を受け、北上川の治水工事を行った人。
②偉人エピソード
それまで仙台平野は大雨が起こるたびに洪水が起こってたので大変だった。治水工事を行ったことで新田開発が進み米どころになる。(リンク)
③地元の慕われエピソード
今はどうなってるかわかりませんが、僕が小学生のころ社会の教科書に載っていました。伊達政宗くらい偉人かと思ったらそうでもなくてびっくり。
(投稿:井上マサキ)
仙台の貞山堀を開削した方だそうです。貞山堀(ていざんぼり)は現在、日本で一番長い運河ですね。
ぼくはこの方を知らなかったので、ちょっと調べてみました。孫兵衛は名跡で、川村孫兵衛は重吉とその養子の元吉が有名だそうです。
養父のあとを受け継いで貞山堀を完成させた孫兵衛元吉は、治水だけでなく、農業分野でもいろいろと事績を残していて、虫害が発生したとき、山伏を集めて法螺貝を吹かせて「害虫を除いた」とか、鶏糞を集めて水田にまいて「蝗虫を去る」(蝗虫はこうちゅう・イナゴのこと)などしたそうです。法螺貝は効果あったのかしら?(参考:『仙台藩人物叢誌』)
埼玉・荻野吟子(おぎのぎんこ)
日本で初めての女医です。
②偉人エピソード
日本人女性初の国家資格を持った医師です。婦人科にかかった際、男性医師しかおらず恥ずかしい経験をしたことから、医師を目指したそうです。
③地元の慕われエピソード
埼玉県の郷土かるたの札に、「荻野吟子 日本の女医 第一号」があって覚えていました。
Wikipediaがかなり詳しく書かれていることから、愛されているんだなと思います。
(投稿:藤原浩一)
医師免許を取った女性で日本初ということですね。無免許だと楠本イネ(シーボルトの娘)とかが最初になるのでしょうか。無免許という言い方もちょっとどうかという話ですが。
オギノ式を考案した人と関係あるのかとおもったら、まったく関係ない別人ですね。(オギノ式を考案したのは荻野久作)
この方、医者になるにも「前例がない」という理由でなかなかなれず、かなり苦労してますが、その他にも夫に性病をうつされたり、再婚した夫について北海道に開拓に行ったりと、医師エピソード以上の苦労話が限界突破してますね。
雑司ヶ谷霊園の彼女の墓、『トイ・ストーリー』に出てくるボー・ピープみたいなくそデカ石像が突っ立っててびっくりしました。
というわけで、こんな感じで「地元だけが知ってる偉人」をどんどん愛でて行きたいと思います。
暴れ川を修復した人、藩の財政を立て直した人、その分野では名の知られた学者、地元の地名に名前が残っている何らかの偉人……。
まだまだ沢山いるとおもいます。そんな地元の偉人情報、どんどんお寄せください。
それではよろしくおねがいします!