落としてはいけない試合で、手痛い黒星はダメージが大きい。中日が2023年5月21日の巨人戦(東京ドーム)で2-5と敗れ、今季ワーストの7連敗。借金14にふくれあがった。
先発は侍ジャパンに選出され、WBCで好投を見せた高橋宏斗。相手右腕は育成から支配下昇格したプロ初登板の松井楓ということを考えれば、試合を優位に運べると中日ファンは願っただろう。
「応援してくれるファンのためにも意地を見せてほしい」
だが、高橋宏は制球に苦しみ、毎回走者を背負うピンチの連続。2回1死一塁でウォーカーに先制の左越え2ランを浴びると、4回も丸佳浩に適時打を許して4回6安打3失点KO。打線も援護できない。松井颯の前に3回まで走者をひとりも出せず、3点差を追いかける5回1死一、二塁の好機も村松開人、代打・アルモンテが連続三振と本塁が遠い。6回に細川成也が2番手・三上朋也から3号2ランを放ったが反撃及ばず。松井楓にセ・リーグで史上初の育成入団1年目での初登板初勝利を献上した。
春先から投打がかみ合わず、40試合終了して13勝27敗と大きく負け越し。新外国人の助っ人野手陣が稼働せず、得点力不足が深刻だ。スポーツ紙デスクは、「気になるのはチームの雰囲気が暗いこと。もちろん負けが込んでいるので明るいわけがないのですが、空元気でも声を出していかないと空気が変わらない。まだ100試合以上残っているし、応援してくれるファンのためにも意地を見せてほしいですね」と奮起を促す。
借金を完済しなければ、上が見えてこない。悔しさを糧に逆襲なるか。