人気ポルノサイトのxHamsterに「同意なしで投稿された全ての素人動画を削除せよ」との裁判所命令が下る

GIGAZINE



1000万人以上の会員を擁する人気ポルノサイトのxHamsterがオランダの裁判所から、ポルノの掲載についての同意が明確に確認できない人が出演している動画や、プライベートな性交渉の映像を全て削除するよう命じられたことが報じられています。

Popular porn site must delete all amateur videos posted without consent | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/04/popular-porn-site-must-delete-all-amateur-videos-posted-without-consent/


xHamster to delete amateur videos in the Netherlands | Mashable
https://mashable.com/article/xhamster-amatuer-video-court-ruling-netherlands


アムステルダム裁判所は2023年4月12日の判決で、xHamsterに対して「ひそかに撮影されたもの、または本人が感知していないと思われる状況で着衣の一部ないし全部を着ていない人物を映したもの、および専門的に作られたものではなく私的な性行為を映した映像の配布を禁ずる」と述べて、該当する動画をサイト上から削除するよう命じました。

この判決は、オランダのオンライン児童虐待専門局(EOKM)が、アマチュアの出演者から掲載許可を得ていることが確認できない動画10本がxHamsterに投稿されていることを発見し、xHamsterを訴えたのを受けてのものです。これに対し、xHamsterは10本中1本の動画に関する同意書を提出しましたが、裁判所は有効なものとは認めませんでした。


その上でアムステルダム裁判所は、xHamsterが「ポルノサイトがアマチュアの動画を掲載する前に出演者全員から許可を得ることを義務づけた判例に抵触しており、EUのプライバシー法にも違反している」との判断を下しました。

もしxHamsterが裁判所の命令に従わず、該当する全ての動画を3週間以内に削除しなかった場合、動画1本につき1日最大3万ユーロ(約444万円)の罰金が科されることになります。

EOKMの責任者であるArda Gerkens氏は、「同意なしで映像を公開された被害者は、それがインターネットで公開されていることをさえ知らないことが多いので、違法な映像をオフラインにすることは大変困難です。今回の判決により、これらの映像を削除させることが容易になり、どのサイトがプライバシー法を順守していないのかがより明確になることを期待しています」と話しました。


一方、xHamsterはメディアの問い合わせに答えませんでしたが、業界団体からは判決に疑問を呈する声も上がっています。この一件を報じたIT系ニュースサイトのArs Technicaによると、xHamsterでは身分証をアップロードしたり、自撮り写真を登録したりしなければアカウントを作成できないとのこと。また、コンテンツのアップロードもプロのプロデューサーと認証されたメンバーしか行えないようになっているほか、利用規約でも「アップロード者は特定可能な全ての個人から同意を得なければならない」と定められています。

アメリカのポルノ産業のロビー団体・Free Speech Coalitionの広報担当ディレクターであるマイク・ステイビル氏は、海外メディアのMashableに対し、「xHamsterは業界で最も厳格なレベルのコンテンツ検証システムを持っているように思えますし、同サイトが同意なしのコンテンツを通報された際にそれを削除していないという証拠もありません。違法なコンテンツに対する懸念は理解しますが、Twitterのようなサイトを含め、同意が証明されていないコンテンツが掲載されているサイトは、成人向けであるないとにかかわらず無数に存在しています。ですから、政府がインターネット上の問題で特定のアダルトサイトをターゲットにすることには、常に懸念があります」とコメントしました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

Source

タイトルとURLをコピーしました