「BMP」や「PCX」など忘れ去られた画像ファイル形式10選

GIGAZINE
2021年11月20日 22時30分
メモ



画像ファイルには多様な形式が存在し、「JPG」「PNG」「GIF」といった見慣れた形式加えて「WebP」「AVIF」「HEIF」といった2010年代に登場した新しい形式もあります。そんな中、テクノロジー関連ライターのアーニー・スミス氏は「忘れ去られた10種類の画像ファイル形式」について解説しています。

10 Image File Formats That Didn’t Make It
https://tedium.co/2021/11/10/10-forgotten-image-formats/

◆01:North American Presentation Level Protocol Syntax(NAPLPS)
NAPLPSはグラフィックイメージを素早く伝送する方法を構築する取り組みの一環として開発された画像ファイル形式で、カナダの放送業界を中心に1980年代から利用され始めました。スミス氏によると、NAPLPSはIBMが開発したポータルサービス「Prodigy」に採用され、1990年代まで利用されていたとのことです。

以下のムービーには、NAPLPS形式で保存された画像が使われています。

Rare Cable Channel: Genesis StoryTime – YouTube
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◆02:BSAVE graphics
BSAVE graphicsは、IBM製のPCに搭載されていたペイントアプリ「PCPaint」で採用されていた画像ファイル形式です。スミス氏は「BSAVE graphicsはマウスとグラフィカルインターフェイスを使用したIBM PC用の最初の描画プログラムであるPCPaintに採用されていたことから、描画プログラムの歴史の中で注目に値します」と述べています。

◆03:PCX
PCXWindows 3.xに搭載されたペイントアプリで利用できた画像ファイル形式です。このPCXはWindows 3.xの登場以前にもIBM PC互換機向けのペイントアプリ「PC Paintbrush」でも採用されていたため、JPEGやGIFといった画像ファイル形式が登場する前は事実上の業界標準形式だったとのことです。

◆04:TIFF
TIFF(Tagged Image File Format)は、1986年にMicrosoftとAldusによって開発された画像ファイル形式です。スミス氏は、TIFFがスキャナーの普及期に「MacとPCのどちらでも扱える画像ファイル形式」として広まったと指摘しています。また、スミス氏は「TIFFは、今回紹介している10種類の画像ファイル形式の中では、記事作成時点でも最も広く使われている画像ファイル形式です。しかし、JPGのような一般的な画像ファイル形式と比べて専門性の高いものとして扱われています」と述べています。

実際に、Photoshopではレイヤー構造を保った状態でTIFF形式での保存が可能です。以下のムービーではPhotoshopにおけるTIFFのメリットが「可搬性」「ファイルサイズ」「サムネイル表示」といった観点から語られています。

Tiff Vs Psd | 3 reasons why you need to save your file in a tiff file format – YouTube
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◆05:ILBM
ILBMはコモドールが開発したコンピューター「Amiga」向けに開発された汎用(はんよう)ファイル形式「Interchange File Format」を使って画像を保存する画像ファイル形式です。ILBMはAmigaのチップセットと専用に開発されていたとのことで、1996年時点では「広く利用されている画像ファイル形式の1つ」とされていたとのことです。

◆06:Truevision Advanced Raster Graphics Adapter(TARGA)
上記のILBMはAmigaに最適化された画像ファイル形式ですが、TARGAはIBM PC専用グラフィックスハードウェアを開発する際の副産物として生み出された画像ファイル形式です。その後、TARGAはMicrosoftやApple製のOSにも採用され、記事作成時点でもゲーム販売プラットフォーム「Steam」のクライアントアプリなどで採用されています。

◆07:Remote Imaging Protocol(RIP)
RIPは、回線速度の遅かった時代にファイルサイズの小さい画像ファイル形式として人気を集めました。スミス氏はRIPによって多様な分野でクリエイティビティが発揮されたと語っています。しかし、RIPはインターネットの進歩の波に乗れず、記事作成時点ではほとんど使われない画像ファイル形式となっています。

◆08:BMP
BMPは上述のPCXと共にWindows 3.xのペイントアプリで採用された画像ファイル形式です。BMPには「圧縮に重点を置いておらず、ファイルサイズが大きくなる」「WindowsとOS/2で仕様が異なる」といった問題が存在していたことから、登場当初から「これまでに開発されたビットマップ画像ファイル形式の中で最悪の形式」と評価されていました。

記事作成時点でも、MicrosoftによるBMPの解説ページには「通常、BMP ファイルは圧縮されないため、インターネット経由での転送には適していません」と記されており、そのファイルサイズの大きさが強調されています。

◆09:Virtual Reality Modeling Language(VRML)
近年、メタバースに関する話題が盛り上がりを見せています。スミス氏によるとVRMLはメタバースのために開発された最初の画像ファイル形式とのこと。このVRMLの開発を推進する「Web3D Consortium」は現在でも活動を続けており、スミス氏も「VRMLがFlashに負けたことが事実ですが、Facebookと呼ばれていた企業(Meta)が描いている未来を考えると、VRMLが再び注目を集める可能性があります」と述べています。

◆10:Wireless Application Protocol Bitmap Format
Wireless Application Protocol Bitmap Formatは、モノクロ画像を表示するために1990年代に開発された画像ファイル形式で、多くの携帯電話に採用されていました。


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