☆型に抜いて和食をだいなしにしてみる(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

ある日、私はふと思ったのさ。「☆って、なんて陽気な記号なんだろう」、ってね。

いや、アメリカンジョークではないんだが、この記号の前では、どんな悲しみもゆううつも、無意味に感じられそうである。とにかくパップでメリケンでジョイフォウな記号、☆。

しかし、場所を選ばないといけない。例えば和食の世界には、出てきてはいけないんじゃないか。和の献立を☆型に整えると、だいなしになるんじゃないのか。その「だいなし」ぶりが、見たい。それならさっそくやってみよう。ジョイナス!

2008年4月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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星の金型で、バーン!

和と☆を邂逅させる前に、☆・イン・食の世界なら、まずこういった例がある。

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ドラゴンボールというより、ドロンパという趣き。

リッツパーティーだ。リッツの上にお星様。至極自然な流れだ。ウェイティングバーの楽しげなざわめきが聞こえてきそうである。これは正しい。しかしこのエッジの立った五芒星が、果たして和の食材とどう化学反応を起こすのか。見ものであります。

一方、もとから☆型の食材もある。例えばオクラ。

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切ってみたら、☆というより桜型。

この☆型の場合、完全な五芒星の形をしていない。丸っこくて、和の献立によくあるような花びら型に近い。もとから、和食と親和性があるといえる。

こういったものは除いて、お星様きらきらな和食でしっぽりとダメっぷりを味わいたい。何がなんだかわからないが、とにかくやってみよう。

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まあ、まずダシ巻き卵でも作るか。
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きれいに焼きあがった上から、金型をバーン!
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筑前煮。煮崩れないこんにゃくは先に☆にしておいたけど、
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煮上がったニンジンをバーン!
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ほうれんそうのおひたし・・・
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星型にバーン!と立たせる。
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おお、ぶり照り。照りの効いたひときれを・・・
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骨とかお構いなしに、バーン!
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刺身盛り合わせ・・・繊維の並びも気にせず、バーン!
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でもちょっと切れてないので包丁で補足。

と、本当はもっと「懐石!」な日本料理を「星型でバーン!」とやりたかったのだけど、自分のイメージ不足、腕不足から、ただの「うちでよく作るような和食のお惣菜」になってしまいましたことを、さりげなくお詫びいたします。

さて。まずは普段のお膳のパノラマビューから見てみよう。

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いえ嘘つきました。普段はこんなにちゃんとしていない。撮影用である。
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思わず和装に着替えて、厳かに食す。

そして、どうかしてしまった感のある「☆型で抜いた和の食卓」は、こちら。

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サンリオ定食。
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筑前煮がきらきら。
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お刺身も、きらきら。
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卵焼きも、きらきら。
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おひたしも、きらきら。
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うーん。ぶり照りも、きらきら。うーん。ぼそぼそか。
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オー、キーラキラ、ピーカピカシテマース。

地味だ。型で抜いても、食材が食材なので、地味。☆になっても、醤油味は醤油味なんだよ。

でも一方で、「だいなし」感は漂っていると思う。せっかくの侘びた食膳が、だいなしだ!地味にだけど、浮かれてるよ!

そして食べた感想は、「とにかくエッジが立ってて気が気じゃない」だ。そりゃ怪我することはないが、星の鋭角が、口に向かって攻撃してくるようで気分的には落ち着かない。侘びも寂びもあったものではないですな。

かくして「うまいけど、だいなし」「無駄にしてないけど、だいなし」な和食の完成です。

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締めの蕎麦では、海苔が浮かれてた。

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