一晩で何人が胴上げされているか(デジタルリマスター)

デイリーポータルZ

気付いたら東京地方に桜が咲いている。もう春だ。新入学に新入社と、何かとフレッシュな季節の到来である。新しい出会いに胸をときめかせている人も多い事と思う。しかし、その前に3月は別れの季節でもある。今までお世話になった人たちとお別れしないといけない。日本各地で送別会が開かれていることだろう。繁華街では送別会終わりで盛り上がっているグループを良く見かける。中には興が乗って胴上げ、なんて感動的な別れを味わっている人たちもいるはずだ。

そこでふと思った。 一晩で何人くらいが胴上げされているのだろう?

気になったので夜の渋谷へ繰り出した。 

2008年3月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

渋谷で胴上げを探す

深夜23時、渋谷の繁華街で胴上げされている人を探す。

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賑わうセンター街

狙い目は送別会終わりにお店の前でたむろっているグループだ。そろそろ終電が気になる時間だが、どうやってこの場を締めたらいいのか分からない。そんな人たちを観察する。きっと「じゃあ、最後は胴上げで」となるに違いない。

調査を行った日は、いくつかの大学で卒業式があったようで送別会風のグループを沢山見かけた。胴上げへの期待がグッと高まる。

23時~23時30分、ちとせ会館前

最初に訪れた場所は「ちとせ会館」前だ。ここには大きな居酒屋が何軒も入っている。大人数の飲み会が開催されている可能性が高い。僕も大学時代に良くここで飲み会をしていた。確か、当時も胴上げされている人がいたような気がする。

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飲み会のメッカ、ちとせ会館

ちとせ会館前に行くと、飲み会を終えた人たちでごった返しているのが見えた。これは読み通りである。21時始まりの23時終わり。いい感じに酔っぱらっている頃だろう。

ざっと見たところ、4つのグループがいるようだった。

スーツ姿ではあるが見た目は若いのできっと卒業式流れの男性グループ。人数は12、3名。道を挟んで反対側にもスーツ姿の男性グループ。こちらはスーツ姿に違和感がないので社会人であろう。4、5名と人数は少ないが、中の一人が花束を持っている。送られる人だ。送られるという事は、胴上げされる可能性が極めて高いとも言える。

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卒業式流れのグループ
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社会人グループ

社会人グループは花束を持っている人を中心に、みんなフラフラしている。学生グループよりも酔っているようだ。今までお疲れ様、新しい所に行ってもがんばれ、月に1回はみんなで集まろう、そんな話をしているに違いない。声が聞こえないので完全に僕の想像ではあるが、多分そうだ。胴上げまであと少し、という段階に違いない。

残りの2グループはどちらも私服の若者たちで、送別会という雰囲気ではない。1つの若者グループは大人数なのだが、徐々に小さいグループへと分裂を始めている。三次会に流れるグループ、家に帰るグループ、もうちょっとここでうだうだしたいグループ。いずれにしても胴上げに流れ込む可能性は少なそうだ。

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分裂を始める若者グループ

もう一方の若者グループは男3名、女性3名で、まったりと立ち話をしている。こちらのグループにも胴上げの雰囲気は感じられないが、一人、赤いアフロヘアのかつらを被った人がいる。その人のテンション次第によって胴上げに流れ込む可能性はある。 

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赤いアフロの人が音頭をとるか?

観察を始めてから20分が経過した。

しかし、どこのグループも胴上げをしてくれない。卒業式流れの若者グループは一本締めまでは行ったのだが、そこで解散となってしまった。社会人グループもフラフラしながら結局みんな帰ってしまった。次の日の仕事を優先したのだろう。胴上げのグルーヴには達しなかったようだ。

そして、分裂していった若者グループの群れから離れ、2人きりでメルアドの交換をしている男女がいた。カップル成立の瞬間を目撃してしまった。三次会に流れたり、家に帰ったりした残りの仲間たちはその事実を知る由もない。

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群れからはずれてメルアド交換する2人

僕が見たいのは胴上げであって、幸せな男女に興味はない。

ちとせ会館前から場所を変えることにした。

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