今回とりあげる『元祖やまいも蕎麦』を作った石黒製麺は、当連載初出場! ようこそ、史上最も地味な連載「家そば放浪記」の世界へ。
この連載は、単なる蕎麦好きのおじさん(43)が、ひとり干し蕎麦を食べ続けては、あーだこーだとつぶやきながら独自審査するだけの内容である。
蕎麦の好みは人それぞれ。つまるところ、私好みの蕎麦なのかどうかだけのジャッジなので、良くも悪くもあまり気にしないでいただきたい。
まず思ったのは、パッケージのデザインが非常に良いということ。なんとも見事な「いも感」を感じるカラーリング。遠目から見ても、「あ、『元祖やまいも蕎麦』だな」と識別できる独自性……いい感じだな。
それではさっそく……
デカい鍋にタップリのお湯を沸かし……
強火で約4分〜5分ゆでて……
完成。
して、そのお味は──
ん〜。難しいですねこれは。おいしいです。口当たりも喉越しもヨシで。やまいも感も確かに感じるし、実に優秀なお蕎麦だと思います。「家そば」か「外そば」かなら、まあ……外でしょう。はい。ただ難しい……!
というのも。
比べるわけではないのですが、あの「はたけなか」の『ぜいたく手おろし長芋そば』のインパクトが強烈すぎて……。
モノマネで例えるなら、この『元祖やまいも蕎麦』は栗田貫一や岩本恭生というか。「ああ、うまいな」みたいな。「お上手ですね」みたいな。
一方、あの『ぜいたく手おろし長芋そば』は、ハリウッドザコシショウの「誇張しすぎたモノマネ」というか。あれをやられたら反則みたいな。
これから「やまいも」や「とろろ」系の時は、どうしてもあのザコシの「誇張しすぎた長芋』がフラッシュバックしてしまうというか……。
おいしいのです。『元祖やまいも蕎麦』も、おいしいのです。ただ、出てくる順番が悪かった……。先にキョーレツな芸を見せつけられてしまった感。
いずれにしても、この『元祖やまいも蕎麦』、あえて「冷」ではなく「温」の、さらにあえての「とろろそば(山かけそば)」なんてやったら最高なんじゃないかな……なんて思ったり。
とろろ(やまいも)&とろろで、まとめ上げちゃう的な。冷のとろろ蕎麦でも良いけど、温のほうがマッチしやすいんじゃないかな〜なんて。
なぜかいつもより感想が長くなりましたが、結論、山かけそば推奨!
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24