高級スーパー『紀ノ国屋』に、使用条件のハードルが凄まじく高い「めんつゆ」が売ってたんで使ってみた!【家そば放浪記番外編】

ロケットニュース24

ウマい干し蕎麦を見つけるため、その日も私は都内某所を放浪していた。すると目の前には高級スーパー『紀ノ国屋』が。

すでに紀ノ国屋オリジナル蕎麦『御そば(おそば)』はレビューしたが、新作が入荷しているかもしれん……。

そう思い干し蕎麦コーナーに歩を進めると、蕎麦の新作は無かったが、その代わり「売れてます!!」と力強く訴えている「めんつゆ」を発見。すぐさま確保。たまには「つゆ」を吟味するのも良かろう。

かわいらしいリボンを首に巻いためんつゆの名は、紀ノ国屋オリジナル『本返しつゆストレート』。価格は税込322円なり。



ほう……「返し(かえし)」ときたか……。


「かえし」というのは、醤油、みりん、砂糖などを使って作られる調味料。この「かえし」を、「出汁(だし)」で割ると「つゆ」になる。

また、この「かえし」を割る出汁の量によっては、カツ丼を作る時に使われる「丼つゆ」にもなるし、天ぷらを食べる時に使う「天つゆ」にもなる。

しっかりしたお蕎麦屋さんは、日々継ぎ足し、継ぎ足し……丹精込めて作られたその店独自の「かえし」があり、そのまんま「店の味」となる。

私も蕎麦屋で働いていた頃は、よく店の奥にある「かえし室」の地下に埋まる巨大な甕(かめ)に入った「かえし」を取りに行ったものだ。

また、自慢ではないが、自分で「かえし」を作ったこともある。自家製の「かえし」と「出汁」で割った「つゆ」のウマいこと、ウマいこと……。


そんな「かえし」が、今ここに!


しかもである。本来ならば「出汁」と割らなければならないところを……


そのままうすめずにお使いください」と! もう、すでに割ってあるのだ! 一般的な濃縮めんつゆのように、水でうすめる必要もない。


さらにだ!


開栓後はできるだけ1回で使い切ってください

冷蔵庫に立てて保存し、3日以内にご使用ください


なんだか、ものすごくハードルが高い! それと比例するように、いやが上にも期待も高まり……!!


いただきます!


……



感想を一気に書こう。


まず、普段は基本的に『創味のつゆ』や『味よし』で蕎麦を食べているのだが、それらとは全く違うベクトルのつゆである。同じ蕎麦を食べていても、ガラリと印象が変わるから、つゆの世界も奥が深い。

何がどう違うのかというと、ずばり「かえし感」が非常に強い。意味合いを分解すると「醤油、みりん、砂糖」の感じが圧倒的に強い印象。


ただし!


甘めよりも辛めを好む関東人の私にとっては、ちょっと甘いかな……といった印象。この甘めの『本返しつゆストレート』で「甘めの蕎麦」も食べてみたところ、甘甘(あまあま)な蕎麦になってしまったほど。

しかしながら、「いいつゆ感」はビンビンに感じる。いつもとは違う「いいつゆ」を使っている感はハンパなく感じる。ぜいたく感というか。



また、その蕎麦のポテンシャルを1段階くらいは引き上げてくれるパワーみたいなものも感じる。普通の蕎麦が、高級そばになった……みたいな。

それゆえ、やるかどうかはともかく、タコパ(たこ焼きパーティー)ならぬ「そばぱ(蕎麦パーティー)」の時とかに使うと盛り上がるかも知れない。


ただ、やはり私には、ちょっと甘かった。これはもう本当に好みだけども、トゥースイートフォーミーであった。甘めが好きな人なら、試してみるのも一興だろう。

報告は以上。本編『家そば放浪記』もよろしくお願いします〜。


参考リンク:創味のつゆ味よし
執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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