講談社の書籍『ゲームの歴史』が、SNSでの批判を受けて販売中止および回収が決まった。
同社広報室は2023年4月7日、J-CASTニュースの取材に「読者に誠実に対応いたします」と答え、10日に詳細を発表するとした。
「記載内容に事実と異なる点が確認された」
ゲームの歴史は、2022年11月に刊行された。ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(もしドラ)で知られる岩崎夏海氏と、「新書大賞2023」で2位に選ばれた『映画を早送りで観る人たち』の稲田豊史が共著した。
「コンピューターゲームの歴史をわかりやすく、文化的背景なども含めて網羅的に徹底解説します」と銘打ち、3冊にわたってゲーム&ウォッチやファミコン、スーパーマリオ、ドラクエ、ポケモン、テトリス、プレステ、FF7、Nintendo Switch――など、ゲーム史を紐解いている。
しかし、SNSで業界関係者らから内容の信ぴょう性に疑義が呈される事態となり、講談社は3月中旬、「事実誤認があるのではと複数の方からご指摘をいただいております。現在、編集部と著者で全体の確認作業を行っております」とコメントを出した。
一方、岩崎氏はツイッターで「データを用いるとその用い方の恣意性に際限がなくなってかえって本質から逸れるし、主観というけど化学じゃないんだからゲームの世界に客観など存在しないので、この手の意見には全く与しない」と指摘に反論していた。現在は、アカウントを削除している。
4月6日には、講談社が各書店に送付した書面がSNSで拡散した。「記載内容に事実と異なる点が確認された」として販売中止を報告し、回収の協力を呼びかけている。修正版の発売予定はないとも書かれていた。
講談社広報室に購入者への対応や、筆者の理解を得た上での決定かなどを問うと、「読者に誠実に対応いたします。準備が整う4月10日に詳細を発表いたします」とのみ答えた。