こんにちは、編集部 石川です。
隔週でお送りする「ベスト3を発表します」のコーナー。デイリーポータルZのライター陣に、何でもいいからベスト3を決めてもらうコーナーです。
今日は工作や造形の記事を多く手がける乙幡さんに、みんなが便利かは知らないけど自分だけはめちゃくちゃ使っている「超個人的工具」について聞きました。
乙幡さんが選ぶ「超個人的工具」ベスト3
――乙幡さんくらいになるとものすごくいろんな工具を持っていそうです。
乙幡:日頃とても雑多な作業をするものですから、道具も雑多です。特殊なものがうまくハマったり、逆に100円ショップのものが使いやすかったり。
でも特に専門的な工具をたくさん持っているというわけではないですよ。いきあたりばったりで所有しているものも多いし。
――今回選んでいただいた「超個人的工具」とは?
乙幡:細かすぎたり地味すぎたり、用途がおもいっきり個人的なものを選びました。
「これがないとできない作業がある」というのが基準です。
――では3位からご紹介いただきます!
【第3位】
穴あけポンチ(カスタム)
――これは知ってます!穴を開ける道具ですよね。
乙幡:そう。皮革などに当て、上から木槌で打って穴を開ける金具です。
――「カスタム」というのは?
乙幡:楕円の穴を開けるために、友人の造形家さんに頼んで良い感じの楕円形に改造してもらったものです。
――楕円?用途は何ですか?
乙幡:弊社商品「セミナ〜ル」の背中に穴を開けるためのものです。
中にゼンマイが入っていまして、ゼンマイ回すと「ジーーーーッ」とセミのように鳴く、それだけのオモチャですが、穴を開けないと音がくぐもってしまうので穴を開けたいわけです。
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これが「セミナ〜ル」。
乙幡:このセミの節の部分に合わせて楕円にしてもらったんです。
治具もいっしょに作ってもらって、受注のたびにトンカントンカン穴を開けています。
改造した時点で「みなさんにおすすめ」はしづらいわけですが……とにかくこれがなくなると大ダメージです。セミナ〜ルには。
――なるほど、まさに「超個人的工具」ですね。わかってきました。続いて第2位をお願いします!
【第2位】
タミヤ 調色スティック
――耳かきのような、スプーンのような形ですね。
乙幡:本来は塗料をすくったり、塗料をかき混ぜるのに使うサジです。
――そんなニッチな道具があるんですね。これの個人的用途というのは?
乙幡:もちろん塗料すくいにも使うんですが、粘土造形作業で非常に頼りになるんです。
乙幡:うちにはもっと使いやすくて持ちやすそうなスパチュラ(ヘラ)もあるんですが、理由はわからねど結局これに持ち替えることが多い。
――反対側の平たい方も用途があるんですか?
乙幡:反対側はもともとは塗料を混ぜるために四角くて平らなんですが、最初の写真を見ると尖っているのがわかります?砂像づくりをしている夫が仕事に使えないかと思って三角に尖らせ曲げてみたそうです。でもかえって使いにくいと言ってました。わからんもんですな。
――夫婦で造形やっているとそういうことがあるんですね。ではいよいよ1位、おねがいします!