使いこなせたら楽器の演奏もできちゃう。
もっと便利に作業や暮らしができるよう、ロボットアームを背負って使える腕を増やそう! という研究がこれまでにいくつもありました。
中には触手みたいにウネウネ動くものや、鉄球ハンドで壁をブチ壊すもの、4本腕でアシュラマンのようになるタイプもありましたよね。
アームだと不器用
ウェアラブルなアームはいろんな方向に曲がって振り回すことが出来ますが、どれも細かい作業には向いていないようです。でも、3つの関節で曲げたり伸びたりするだけの小さい指だったら? アームより制御しやすく、今以上に器用な作業が可能になるようです。
第3の親指、誕生
オーグメンテーションデザイナーのDani Clode氏が3D印刷で作った「 THE THIRD THUMB 」は、直訳すると「第3の親指」。
人間には左右で合計2本の親指がありますが、片手に付けるので第3なんですね。これを小指側に装着すれば、11本目の指として活躍します。
脳神経の研究として生まれた
「THE THIRD THUMB」は、便利ツールでもあり、人に与える体験であると同時に、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとケンブリッジ大学が共同で行なっている神経科学的な研究でもあります。ただの道具ではなく、人体が拡張されると脳にどのような影響があるのかを調べ、将来的に義肢や拡張デバイスの制御方法をより良くしようという目的があるのだそうです。
操作は足で行う
足の親指に圧力センサーを仕込み、足首に巻いたマイクロコントローラーが無線接続で手首のモーターに信号を送ると、「第3の親指」が動くようになっています。
慣れれば目隠しをしても自在に操れるようになれ、ギターだって弾けるようになります。「第3の親指」があることが当たり前として脳が認知したら、新たな領域が発達しそうですね。
親指が不器用の代名詞でなくなる
ちなみに英語で「不器用」を指す場合、「I am all thumbs(全部の指が親指だ)」と表現します。しかし「第3の親指」を着けたら、親指の追加で逆に器用になっちゃいますね。
Source: vimeo, DANI CLODE via designboom, The Guardian