モノクロの美麗なポートレート(人物写真)を投稿してInstagramで人気を集めているジョス・エブリーさんが、自身の投稿してきた画像が画像生成AIを用いて作成したものであると明かしました。
Viral Instagram photographer has a confession: His photos are AI-generated | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2023/02/viral-instagram-photographer-has-a-confession-his-photos-are-ai-generated/
A Photographer Who Found Instagram Fame for His Striking Portraits Has Confessed His Images Were Actually A.I.-Generated
https://news.artnet.com/art-world/fake-instagram-photography-ai-generated-joe-avery-2260674
印象的なポートレートを投稿するということで人気を集めていたのが、エブリーさんのInstagramアカウントである@averyseasonartです。@averyseasonartは2022年10月に最初の投稿を行っており、記事作成時点では183件の投稿を行い、3.5万人のフォロワーを獲得しています。
@averyseasonartで投稿されていたのは、以下のような「シャープな顔とぼけた背景」が特徴のモノクロのポートレート。多くの場合、エブリーさんは被写体の名前と出身地、そして被写体のもっともらしい逸話をテキストで一緒に投稿していました。
しかし、エブリーさんはフォロワーが増えるにつれ自身が画像生成AIを使って投稿画像を作成してきたことに引け目を感じるようになったようで、テクノロジーメディアのArs Technicaを通じて「投稿画像が画像生成AIの『Midjourney』を使用して作成していたものであること」を発表。具体的には、Midjourneyを使って複数の画像を生成し、PhotoshopやLightroomを使って画像を編集し、Instagramに投稿していたそうです。エブリーさんはInstagramで投稿してきた画像について、「投稿画像1枚当たり画像生成AIで生成した画像約85枚を使用している」と明かしています。また、エブリーさんは投稿画像を作成するプロセスが多大な労力が必要であると主張しており、「AIによって生成され、人間が仕上げたポートレート」と自身の作品を表現しています。
また、エブリーさんは画像生成AIを使っていたことを隠していた理由を「画像がAIで生成されたことをさまざまな方法で開示することは正しいことのように思えます。しかし、写真の中で化粧をしている人は化粧していることを明らかにしますか?美容整形はどうでしょう?雑誌の表紙の有名人の体を別人の体に置き換えたり、商用のファッション写真でPhotoshopを大量に使用したりすることはでどうでしょう?」と説明しています。
しかし、アート関連のウェブサイトであるartnetは「確かにフォトリアリズムを模倣するプロセスは骨の折れるものかもしれませんが、各画像につけられている無数のハッシュタグには『AIアート』や『画像生成AI』といったものに言及するものはひとつもありませんでした。それどころか、エブリーさんは過去に投稿画像が画像生成AIを使って作成したものであることを否定し、ニコンのD810で撮影したものであると主張していました」と記し、エブリーさんの姿勢を批判しています。
インターネット上の反応はまちまちで、エブリーさんの不誠実な投稿方法を批判する人もいれば、投稿する画像の質の高さを称賛する声もあります。一方で、俳優のRon Drynanさんは「写真家やアーティストを自称するんじゃない。あなたはすべてのアーティストの作品を盗んでいるだけだ」と、エブリーさんに痛烈な批判を浴びせています。
なお、エブリーさんはArs Technicaに対して、「おそらくフォロワーの95%以上が画像がAIによって生成されていることに気づいていません」と語っており、記事作成時点ではInstagramアカウントのプロフィール欄に投稿画像をAIツールを使って作成していると記しています。
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