Akamai、DDoS防御プラットフォーム「Prolexic」第6世代と、スクラビングセンターのグローバル展開を発表 

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 米Akamai Technologiesは、DDoS防御プラットフォーム「Prolexic」の大幅な強化と、2023年末までに世界36カ所にスクラビングセンターを追加することを発表した。

 Prolexicは、クラウドベースのDDoS防御プラットフォーム。データセンターやパブリッククラウド、コロケーション施設など、どこに展開されているアプリケーションであっても保護し、さまざまなタイプのDDoS攻撃からの包括的な保護を提供するとしている。

 機能強化されたProlexicは第6世代となり、完全なソフトウェア定義アーキテクチャ(SDA)へと移行した。従来はサードパーティーベンダーが提供するネットワークコンポーネント上で展開しており、製品のライフサイクルなどのハードウェア環境が展開の制約となることもあったが、仮想化によりソフトウェア環境に移行し、標準的なコンピューターのデータセンターで稼働可能になった。これにより、顧客のニーズに迅速に対応可能になり、キャパシティ拡張のためのモジュラー展開も容易になるという。

 Prolexicの機能強化により、攻撃緩和専用キャパシティが100%増加するなどのメリットがもたらされるという。そして、Protlexicによるサイバー防御の強化を進めるため、世界の「あらゆる主要な地域」にスクラビングセンターを追加するとしている。

 スクラビングセンターとは、悪質なトラフィックを除去(スクラビング)し、クリーンなトラフィックをクライアントのネットワークに転送する処理を行う拠点のことで、日本でも、東京と大阪に設置されている。最初の追加は2022年第3四半期に始まり、2023年末までに、北米(米国東部/西部、カナダ)、ヨーロッパ(イタリア、スペイン、スイス)、アジア(インド、日本、香港)、中東への追加が予定されている。

 このような動きは、DDoS攻撃の巧妙化や記録激な規模のDDoSの発生を受けたものだとして、2022年第2四半期の攻撃状況のデータが紹介された。2010年のデータでは、トップ5種のDDoS攻撃が全体の90%を占めていた。しかし、2022年第2四半期はトップ5種が占める割合は55%に縮小。DDoS攻撃の巧妙化・多様化が進んでおり、このような攻撃からの防御が必要であるという。

 同社上級副社長兼インフラセキュリティ担当ゼネラルマネージャーのショーン・ライオンズ氏は、「DDoS攻撃はかつてない速さで進化していますが、AkamaiのDDoS防御はそれを上回る速さで進化しています」とコメントしている。

2022年第2四半期のDDoS攻撃状況(2010年との比較)

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