やさしいチャーハンに母のおもかげを見る~チャーハン部活動報告~

デイリーポータルZ

おいしいチャーハンを食べる部活の活動報告です。

デイリーポータルZにはチャーハン部がある。チャーハンを食べに行ったり、自分で作ったりしたら報告する部活だ。

そんなチャーハン部でおいしいチャーハンを食べに行ったのでその報告をします。

おいしいチャーハンを求めて本駒込にきた

前回は「チャーハン王に、おれは行く~チャーハン部活動報告~」で王の貫禄を感じてきた先月のチャーハン部だが、今回もおいしいとうわさのチャーハンを求めて、文京区向丘にやってきた。本駒込とかあのあたりだ。

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「中華兆徳」というお店。
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今回の参加メンバーは編集部安藤、米田、月餅、そして部長の江ノ島だ。

こちらのお店、行列ができる人気店で1時間も待つことがあるらしい。おいしいチャーハンを食べるのに長時間待つのも、それはそれでいい体験なのでしてみたい。

今回、はじめて参加した米田さんは昔、この近くにルームシェアで住んでいたらしく、一度、兆徳に来たことがあるらしい。餃子がおいしかった印象とのこと。あと、安藤さんが満身創痍なことを愚痴っていた。誰か休みをあげてほしい。

お腹が空きすぎて、店内の様子を見る。店内ではテーブル席で知らない大人が笑顔でシュウマイを食べている。それ、おれにくれないかと言いたい。もしくは急に入ってそのシュウマイを食べてしまいたい。

それぐらい今すごくお腹が空いているのだ。今、シュウマイ泥棒が生まれようとしている。おれに理性と止めてくれる仲間がいてよかったな。

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張り込みの刑事ぐらい見ている。

少し並んだが20分ほどで入ることができた。チャーハンだ。おれにチャーハンを食べさせてくれ。

でも、名物の揚げ餃子も食べたい。というか全部食べたい。そこで部長の自分がこう言った「今日、めちゃくちゃ食える日なのでめちゃくちゃ食べていいですか?」

そうして、ピータン、揚げ餃子、砂肝の黒胡椒風味炒め、そして玉子チャーハンを頼んだ。本当は麻婆豆腐を頼みたかったが、チャーハンの量が多いかもしれないと思い、断念した。だって、人間って腹8分目がいいって聞いたから。

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頼んだあとも「麻婆豆腐を頼めばよかった」と後悔している。まだ間に合うから言いなよ。

他のメンバーはエビチャーハンや玉子チャーハンの餃子セット、玉子チャーハンのシュウマイセットなどを頼んでしらばく待つ。

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先にやってきた、焼き餃子とシュウマイ。町の中華料理屋でしか食べられない、家庭的でありながらも家では出せないうまさ。
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そして、名物の揚げ餃子。甘酢あんがかかっている。
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熱くてもだえる。

熱くて涙目になっているが、今、世の中で一番うまいものが目の前にある。ちょっと今までに食べたことのないうまさ。

揚げたてでパリパリの餃子に甘酢だれがたっぷりとかけてあり、最初はサクっとした揚げたての食感を楽しめて、少し時間が経つと、この甘酢だれが染み込んだ、モチフワな食感になる。餃子単品でもうまみが詰まっているのに、このあんがすごい。

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焦ってほほに甘酢あんがつく。マグマと同じ温度でした。
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あまりのおいしさに2個目に手を出すが、学習しないで熱さに震える2人。

とてつもなくおいしいのだ。酸っぱさと甘さ、そして、うまみの全てがこの食べ物にある。あまりのおいしさいに「この餃子、50個食えますね」と言ったら、あまりの量に引いていた。引かないでほしい。

あまりのおいしさにこの甘酢をチャーハンにかけたい想いが全員の心の中に生まれ、店員さんに片付けられそうになったとき全員で死守した。部員たちの心がひとつになった瞬間である。

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「まだ食べます!」チャーハン部はOne teamをスローガンに活動をしています。
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そして、砂肝の黒胡椒風味炒めも来た。砂肝が見たことのない形になっている。

春も近づき、本駒込にもきれいな花が咲いたのかと思ったら、砂肝だった。焼き鳥屋などで見る丸い形をイメージしていたのでびっくり。

この砂肝、驚くのは見た目だけではなく、食感にも驚く。砂肝特有のコリコリした食感がありながらも、コリコリの食感が軽く、タレがものすごくからむ。ビールがものすごくすすむだろうな。

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そして、やってきた玉子チャーハン。黄金に輝いている。

塩味であっさり、具材も玉子とネギのみというシンプルさ。なのに奥深い味。さらにおいしさともに来るやさしさはなんだ?バファリンか?

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食べた瞬間に笑顔になる、おいしくてやさしいチャーハン。
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ちなみに米田さんが頼んだエビチャーハンは玉子チャーハンに大きなむきえびがのっており、プリプリした食感が味わえる。

このお店に来たことのある米田さんも「このチャーハンを食べなかったのを後悔してます」とは言っていなかったが、言っているような雰囲気を笑顔から感じた。

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おいしいチャーハンは笑顔になる。

月餅「ああ、なんか、マイルドでやさしさに包み込まれてる」

安藤「味がやさしいよね」

米田「こんなやさしいチャーハン、食べたことないかも美味しい」

安藤「完成された感じするなー」

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その横で部長はスープを飲んでちょっと老けていた。なんで?
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おいしいお店のチャーハンはおいしい、そんなことを考えながらチャーハンがなくなっていく。

ガツンとじゃない。全てをやさしさで包み込むチャーハン。母のようなやさしいチャーハン。結構な量があったが、あまりのおいしさにすぐになくなった。おいしいチャーハンははかないものなのだ。

そして残しておいた甘酢たれである。

甘酢たれをかけたら、私自身はおいしいと思ったのだが、他の人たちは「おいしいはおいしいけど、このチャーハンのおいしさを感じなくて、甘酢だれのおいしさだけが印象に残ってしまう。別で食べたほうがいいかもしれない」という結論になった。

部長はほら、味にインパクトがあればあるほど好きなタイプだから。

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そんな中、月餅さんはお酢とコショウをかけて「自分が求めている完璧なチャーハンの味だ」とあまりのおいしさに感動をしていた。

あまりのおいしさにまた行こうという話をした。だれも行かなくてもおれは行くぜ。チャーハンが大好きだから。

次回は変わったチャーハンを食べたいなと思ってます。

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