歌の歌詞って意味が分からないことがよくある。これが例えば、Xとか初期ラルクとかルナシーくらい詞的表現モリモリの内容なら気にならないのだが、物語的表現の歌詞で意味が分からない場合、私(中澤)はもの凄く気になってしまう。歌の進行と共に進んでいた感情が迷子になるのだ。
で、私がかれこれ30年気になっているのが槇原敬之さんの代表曲の1つ『もう恋なんてしない』である。サビの最後にこういう一節が出てくるのだ。「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」と。結局、恋はするのかい? しないのかい? いまだに迷子なので軽い気持ちでChatGPTに聞いてみたら凄いことになった。
・歌を聞いていて混乱
恋人と別れた直後の心情を歌うこの曲。「ヤカンを火にかけたけど紅茶のありかが分からない」などリアルな生活感あふれる歌詞がとつとつと進行していく。そして、盛り上がりが最高潮になるサビ、本音に近づいていく歌詞。リリースから31年が経っているのに今聞いても素晴らしい。
「もう恋なんてしない」と言うんだろうな。全ての流れがラストのセリフを予想させる。言え! 「もう恋なんてしない」と言っちまえ!! しかし、何度聞いてもこうついてくる。「~なんて言わないよ絶対」と。なんで!? それどういう感情なん!?
・『HEY!HEY!HEY!』でも言われてた
失礼。ついつい興奮してしまったが、落ち着いて読んでもよく分からない。現に、この歌詞の意味不明さは当時、音楽番組『HEY!HEY!HEY!』で松本人志さんも突っ込んでいた。また、「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」で検索すると、Yahoo知恵袋で歌詞の意味を聞いてる人とか考察ブログまであったりするくらい。
というわけで、自分だけで深く考えるのはやめて、最近話題の対話型AI『ChatGPT』に聞いてみよう。「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」の意味を教えて……っと!
・スゲエ
しかし、こうして実際に文章で打ってみると、意味って言われても難しい気がする。もう少し丁寧に聞くべきだろうか? 例えば、これは「恋をする」ということか、それとも「恋をしない」ということかという選択肢を持たせるとか。と、そんなことを考えていると答えが表示された。
ChatGPT「このフレーズは直訳すると「もう恋なんてしない、とは絶対に言わない」という意味です。このフレーズは過去に失恋や恋愛に失敗したり、辛い経験をした人が、再び恋をすることを決心したときに使われます。
このフレーズは、過去の辛い経験からくる恐怖心や不安を克服し、前向きな気持ちで再び恋をすることを表現しています。つまり、「もう恋なんてしない」と思っていたけど、自分が再び恋をすることを決意し、前向きな気持ちで取り組むという意味です」
スゲエ!!!
答えが分かりやすいのはもちろん、歌詞のワンセンテンスから209文字も書いてることにまずビビった。しかも、そのセリフを言う心情までも想像し、それがあながち間違ってない。最後の一節しか伝えてないのに、言ってる内容がほとんど『もう恋なんてしない』の歌詞である。
・槇原敬之さんの凄さ
それにしても、あのワンセンテンスにこれだけの情報が詰まっていようとは。槇原敬之さんもやっぱり凄いと言わざるを得ない。ChatGPTに改めて教えられた気分だ。
と、同時に、私が迷子になる部分は、解決していないようにも感じた。確かに、ChatGPTの答えを見て気づいたのだが、確かにそのワンセンテンスだけだと回答は「恋をする」になる。私が混乱する理由はその前の段の歌詞が「もし君に一つだけ強がりを言えるのなら」だからなのかもしれない。
・再び聞いてみた
つまり、最後の一節は「恋をする」と言っているが、これは強がりだから、結局「恋をしない」のか? いや、強がりって打ち消しではないからなあ……。この辺が日本語の迷路みたいになっていてよく分からない。そこで前段も含めてもう一度ChatGPTに聞いてみたところ……
ChatGPT「「もし私に、1つだけ自分勝手な発言を許されるとしたら、私は絶対に『もう恋なんてしない』とは言わないでしょう。」
つまり、この文は、話者が恋愛をやめるつもりはないことを示しています。話者は、もし自分が強がりを言わなければならない状況に置かれた場合でも、恋愛を諦めることはできないということを表現しています。この文は、話者が強がっているように見えますが、実際には恋愛に対して強い情熱を持っていることを示唆しています」
そうなんだ……!
確かに、そういう意味であれば歌の最後の「本当に本当に君が大好きだったから もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」の意味も通る。31年目にしてモヤモヤが晴れた気分だ。重ね重ね、この歌詞を書いた槇原敬之さん凄いな……。
・記憶に残る歌詞
なお、槇原敬之さんの歌詞で『もう恋なんてしない』に並ぶくらいの代表曲と言えば『世界に1つだけの花』があるが、これが収録されたアルバム『EXPLORER』が2023年5月17日にアナログ化されるという。違いを肯定する歌詞はレコードの温かい音でより響くのではないだろうか。
また、松本人志さんが作詞した『チキンライス』が収録されているアルバム『LIFE IN DOWNTOWN』のアナログ盤も同日に発売予定。こちらも下町をテーマにしており、アナログ化で温もりが増すかと思われる作品だ。5月18日に54歳を迎えるという槇原敬之さん。ファンはこの新たな動きを見逃すな。