漁港があるからなのか、坂の多い街だからなのか、昔から長崎は猫が多い。最近は観光でも「猫の街」であることを推しているので猫目当てに観光に訪れる人も多いのではないかと思う。
ふつうに観光地を歩いているだけでもまあまあ猫に遭遇する。しかし、猫の街の真髄を感じたい人に向けて、今回はとっておきの猫スポットを紹介したい。
30分も歩けば、10匹以上の猫に出会えると思う。
その猫だらけの町は、長崎新地中華街やオランダ坂からもほど近い、長崎市の館内町と十人町。
以前、ランタンフェスティバルの穴場スポットとして紹介した「唐人屋敷跡」という史跡がある地域である。
鎖国時代は、唐人屋敷という名前の通り、中国人の居留地だった場所で、中国風の寺があったり、レンガの跡があったりと、町並みはどこか昔の中国のような面影が残る。
ここはかつて館内市場や岩永市場という地元密着型の市場があった場所。今も商店街が残っている。
町の特徴としては、坂道が入り組んでいて、人が入れないようなけもの道がたくさんあること。猫にとっては暮らしやすいのだろう。
・猫をたくさん見たいなら夕方が狙い目
猫たちが活発になるのが夕方ごろ。ご飯の時間が近づいてくるのか、猫たちがぞろぞろと移動を始めるのである。
ある家の前では猫たちがご飯をねだって大挙する圧巻の光景も見られた。その姿は、もはや取り立てにくるヤクザのよう……。近くにいた観光客もドン引きレベルの大集合であった。
大きな道ではなく、小さな路地や階段を登っていくのがおすすめ。まるでその道の主のような猫たちの姿が見られるぞ!
このあたりの猫は、昔は野良猫然としていて「人間は敵じゃ!」みたいな感じだった。
ここ数年で猫人気が高まってかわいがられることが増えたのか、人懐っこい猫が増えていて驚いた。
触らせてくれる猫ちゃんや、自分から寄ってきて、膝にのってくる猫ちゃんもいた。
・餌はあげちゃダメだよ
しかし、当然ながら餌付けは禁止されている。また、観光地に隣接しているとはいえ住宅地なので猫を追いかけているうちに不法侵入しないように気をつけられたし……!
花街のあった丸山からも近く、坂、階段、石畳、古い市場……と、ノスタルジーをくすぐる要素が多い町でもある。
ザ・観光地という感じではないが、刺さる人には刺さる場所だと思うので、ぜひこのあたりまで足を伸ばして散歩してみてほしい。