東京藝術大学が予算削減のために一部教室のピアノを撤去するとしてツイッターで話題になり、「藝大なのにピアノ撤去」などと疑問や批判の声が上がった。
東京藝術大学総務課は2023年2月7日、J-CASTニュースの取材に対し、撤去に関して「ピアノ専攻の学生はもちろん、他専攻の学生に対してもピアノの練習環境に影響を与えるものではありません」とメールで回答した。
「学生には丁寧な説明を心がけてまいります」
事の発端は、藝大の在学生と思われるユーザーによる2月2日のツイッター投稿。危機感を示す文章と共に、大学からのお知らせをスクリーンショットした画像を投稿した。
スクショによれば、藝大音楽学部弦楽科が2日、【練習室ピアノ撤去について】というお知らせで、「大学の予算削減のため、3-3-25、3-3-26の2部屋のピアノを撤去することとなりました」と伝えている。「副科ピアノ等の練習で練習室を利用される方は別の部屋を予約してください」と続け、撤去日は2月17日か20日だと知らせた。
この投稿は7日までに1万件以上のリツイートや1万9000件以上のいいねを集めるなど話題になり、「藝大なのにピアノ撤去」「削るところが違うと思う」などの批判が寄せられた。
藝大総務課は7日、取材に対し「音楽学部器楽科弦楽専攻(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ)の研究室が所属学生に対し、『練習室ピアノ撤去について』というお知らせを行ったのは事実です」と回答した。
撤去理由については「電気代高騰等の影響により、大学全体として経費削減を進めていますが、音楽学部では、保有台数が多く、調律代等の維持費がかかるピアノについて、設置場所や台数の見直しを行いました」と説明している。
今回ピアノが撤去される練習室は器楽科弦楽専攻の練習室であるため、「大型弦楽器(チェロ、コントラバス等)の練習にはピアノが無いほうがスペースが確保でき、練習がしやすい」としている。
さらに総務課は、「設置されていたピアノは主に副科ピアノ(副科は自分の専門以外の実技授業であり、副科ピアノはピアノ専攻以外の学生が履修する)の練習用に設置されたものであり、その台数は学部内で十分確保されている」と理由を述べ、練習室からピアノを撤去したという。
SNS上の批判的な声に対しては「学生には丁寧な説明を心がけてまいります」とし、撤去の再検討などについては「今のところありません」としている。