「次世代AI都市シミュレーター」の実験エリア
国立大学法人東京大学、ソフトバンク株式会社、小田急電鉄株式会社は、実証実験「次世代AI都市シミュレーター」をこれまでの小田急線海老名駅周辺からもうひと回り広いエリアに拡大した。この実証実験では、エリア内にて人の流れなどの情報を収集し、来訪者の行動変容を促す。
「次世代AI都市シミュレーター」の概念
実証実験は、東京大学とソフトバンクなどが設立したAIの研究機関「Beyond AI 研究推進機構」にて2021年4月から取り組んでいる。ここでは、人流、交通、購買、来訪者などの匿名化された属性データを収集。デジタルツインの技術を用いてデジタル空間上に海老名駅周辺エリアを再現し、動機付けが行動変容を促す効果を検証。その中の1つとして、商業施設の「ViNAWALK（ビナウォーク）」にビーコンやデジタルサイネージを設置している。
今回の実証実験エリアの拡大では、商業施設などに訪問する人や居住者、勤務者に対して、属性別に情報を配信する。具体的には、商業施設への来館者には優待やイベント情報、マンションの居住者には買い物に使えるクーポンなど日々の生活に密着した情報、勤務者向けには飲食店の混雑予測情報を配信する。
そのほかには、商業施設の「ViNA GARDENS（ビナガーデンズ）」のテナントに対して人流予測情報をLINEを用いて提供する「ViNA GARDENSプロジェクト」を展開。ViNA GARDENSのテナントは、この情報を元にスタッフのシフトの最適化、商品や材料の仕入れや在庫管理、空調の管理が効果的に行えるようになるとしている。
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今後、東京大学とソフトバンクは実証実験で得られた成果を発展させ、スマートシティソリューションを開発し、さまざまな都市での活用を目指す。小田急電鉄は、ViNA GARDENSプロジェクトをさらに発展させ、小田急沿線で活用するとしている。
