アルタ・ビューティが店舗の サービス体験 をさらに強化:新たなマーチャンダイジング戦略の一環

DIGIDAY

第3四半期に入ってから、アルタ・ビューティ(Ulta Beauty)は約44店舗に新しいレイアウトを導入、マスおよびプレステージカテゴリーをより適切に紹介し、ナビゲーションを改善してサービス体験を強化し、発見の機会をこれまで以上に増やそうとしている。

第3四半期に入ってから、アルタ・ビューティ(Ulta Beauty)は約44店舗に新しいレイアウトを導入、マスおよびプレステージカテゴリーをより適切に紹介し、ナビゲーションを改善してサービス体験を強化し、発見の機会をこれまで以上に増やそうとしている。

2018年に行った前回の大規模なマーチャンダイジングの見直しと比較すると、アルタ・ビューティの最新のアップデートは、サービスの提供をさらに強調するものとなった。店舗中央の新しいビューティーバーでは、ベネフィット(Benefit)やMACコスメティックス(MAC Cosmetics)と提携して眉毛やメイクアップのサービスも提供する。新規店舗や改装店舗の全店で、この新しいレイアウトデザインを採用する予定だ。アルタ・ビューティは以前から、ブリオジオ(Briogeo)などのブランドをフィーチャーしたバックバープログラムによって、サロンヘアサービスを提供してきた。12月に行われた同社の2022年第3四半期決算説明会で、アルタ・ビューティのCEOデイヴ・キンボール氏は、サロンサービスの重要性について次のように語っている。

「当社のサービス事業は、主にスタイリストの定着率の向上、スタイリストの生産性の増加、そしてパンデミックによるキャパシティの制約を回避してサロンにおける生産性を高めたことで加速しており、前期に引き続き2桁の成長率を達成した。アウェアネス、トライアル、フリークエンシー向上のためにターゲットを絞ったCRMの取り組みが功を奏し、既存および新規の(顧客からの)サロン予約が増加している。また店頭でのバックバーイベントも、参加ブランドの製品への愛着と新規顧客獲得を引き続き促進している」。

美容サービスがハロー効果をもたらす可能性

アルタ・ビューティの新たなマーチャンダイジング戦略は、小売業界が2020年にCovid-19による打撃を受けてから2年近くを経て発表された。実店舗が再開して以来、小売業者は、eコマースのみに注力するといった一時的な影響が、オムニチャネルやウェルネス、顧客の価値観重視など、より長期的な業界トレンドへと移行するのを見守ってきた。アルタ・ビューティのチーフマーチャンダイジングオフィサーであるモニカ・アルナウド氏によると、消費者のジャーニーがもはや直線的でないという事実が新たな戦略に反映されている。アルタ・ビューティのチームは、消費者がオンライン購入や店舗またはカーブサイドでの受け取りを受け入れている点を考慮した。

また店舗の中央には高さのあるゴンドラ棚を新たに配置して、エスティローダー(Estée Lauder)、クリニーク(Clinique)、ランコム(Lancôme)のブランドを収納、アルナウド氏はこれらのブランドをプレステージとマステージのあいだの完璧な移行ブランドと呼ぶ。またそこでは、店舗の反対側に配置したカテゴリーに属する化粧品とスキンケア用品も網羅する。

「美容サービスが意味するのは付加的な来店であり、美容サービス以外の商品の購入につながるかもしれない」と述べたのは、プロフェッショナルサービス会社アルバレス&マーサル・コンシューマーリテールグループ(Alvarez & Marsal Consumer Retail Group)のシニアディレクター、マノラ・ソレル氏だ。「サービスは(アルタの)長期戦略の一部だったが、総売上高に対する浸透率は比較的低く、ここ数年は3〜4%程度だ。サービスがうまく機能すれば、消費者の美容に関する財布のシェアを拡大する機会を提供し、この小売業者に対する消費全体にハロー効果をもたらす可能性がある」。

マスからマステージ、プレステージへと流れるような商品配置

そのほかにアルタの店舗で顕著な変化は、過去3年間のスキンケアカテゴリーの全体的な成長に牽引され、スキンケアを店舗の前面に配置し直した点が挙げられる。スキンケアは、マスからマステージ、プレステージへと流れるように、すべてのブランドを一カ所に集めている。従来のレイアウトでは、プレステージスキンケアは店舗の片側の奥に、マススキンケアはその反対側の店舗正面に配置されていた。現在は店舗の片側にはメイクアップがあり、これもまたマスからマステージ、プレステージへと流れるように配置された。フレグランスは店舗の奥に移動し、店舗正面にはカテゴリーを超えたブランドや商品の発表のための専用スペースを設けた。さらに、チェックアウトはサロンの近くに移動した。2018年にGlossyが報じたように、アルタ・ビューティの戦略のコアとなるのは、マス商品とプレステージ商品の提供である。

「これは私たちにとって大きな進化だ。受け取っているフィードバックを考慮することが重要だった」と、アルナウド氏は言う。「(顧客が)ナビゲートしやすい経験を作りたかったので、何かを見つけるために時間を費やすのではなく、遊びながら発見し、インスピレーションを得るために時間を費やせるようになる」。

[原文:Ulta Beauty introduces more services, as part of a new merchandising strategy]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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