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家から最寄りのバス停や駅まで歩いたり、広いテーマパークや商業施設の中を歩き回ったりする時などに、「もう少し早く歩けたらいいのに」と思ったことがある人は多いはず。そこで、Shift Roboticsというアメリカのベンチャー企業が、歩行速度をアップさせる靴「Moonwalkers」を開発しました。
Shift Moonwalkers | The World’s Fastest Shoes – Shift Robotics
https://shiftrobotics.io/
Shift Moonwalkers Launch – YouTube
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人間はより速く、より遠くまで移動することを目指し、車や飛行機などさまざまな移動手段を開発してきました。
どれだけ移動手段が発展しようと、基本的な移動手段は「徒歩」のままです。しかし、徒歩移動ではあまりに遅すぎると感じている人も多いはず。
Shift Roboticsの創業者であるXunjie Zhang氏は、5年間にわたり歩行速度をアップさせるための研究を行いました。
そして開発されたのが歩行速度をアップさせる靴である「Moonwalkers」です。
Moonwalkersはローラースケートのような車輪が複数付いており、靴の上からバンドで巻き付ける構造となっています。
足が接地した際に電動で車輪を前進させ、滑るように移動することで歩行速度をアップさせる仕組みです。トップスピードは時速10kmを超え、普通に歩く時と比較して約250%も歩行速度が上がるとのこと。
加速モードをオフにすることで、装着したまま階段を上ることが可能。
Moonwalkersは9世代にもわたるプロトタイプの改良を繰り返し、さまざまな場所を歩いて性能を確かめたとのことで、舗装路以外の地面でも歩くことができます。
建物や店などに入る時は、バンドを外すだけでOK。簡単に取り外しできます。
充電はUSB Type-Cケーブルで可能なため、喫茶店やファストフード店などで気軽に充電できます。
実際にテクノロジー系メディアのWIREDのレポーターがShift Roboticsを訪れ、Moonwalkersを履いて歩いてみたレビュー動画も公開されています。
Testing Shoes That Make You Walk 250% Faster | WIRED – YouTube
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レポーターの男性がMoonwalkersを装着し、使い方のレクチャーを受けます。操作は非常に簡単で、右足のかかとを上げてから地面をたたくことで加速モードがオフになり、右足のかかとを上げて内側にひねると加速モードがオンになります。青いLEDライトが光っていれば加速モードがオンになっています。
歩き始めると、設置時に加速する感覚に驚いたレポーターは「オーマイガー!」と声を上げました。
しばらくZhang氏と共に歩行の練習を行います。「不思議な感覚だ!」とコメントしつつも、次第に慣れてきた様子。
慣れてくると、まるでムーンウォークしているかのようにスイスイ歩くことができます。
速く歩けることは便利ですが安全に止まれなくては危険ということで、レポーターの男性は身を張ってブレーキテストを実施。勢いよく壁に向かって歩いて行き、直前で加速モードをオフにしてブレーキをかけます。
無事、壁に接する前に止まることができました。今回のテストでは、壁から約4フィート(約120cm)の地点から停止できることがわかりました。
Moonwalkersはソフトウェアを搭載しており、2つの靴が相互に通信して加速を調整しているとのこと。
また、底の車輪は左右に2列、縦に並んでいます。
これにより、舗装が割れているガタガタした道路や未舗装路でも、滑りながら歩くことが可能になっています。
実際に、Moonwalkers装着時と未装着時の歩行速度を比較してみると、装着時の移動速度に追いつくには小走りになる必要があることがわかります。
レポーターの男性はMoonwalkersを使ってみた実感として、事前に思っていたよりも安全であり、バックパックにも入ることや充電が簡単な点も気に入ったと述べています。その一方で、重量が4.2ポンド(約1.9kg)とやや重く、バンドの締め付け感も気になるとのこと。また、1399.99ドル(約18万4000円)という価格もネックになるかもしれないと述べました。
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