メモ
オープンソースのWebサーバーソフトウェアとして知られる「Apache」を運営するApache Software Foundation(ASF)に、北アメリカ先住6部族の1つであるアパッチ族を念頭に「アメリカ先住民への敬意と独自の行動規範を守るため」として名称変更の要請が出されていることがわかりました。
Apache® Appropriation
https://blog.nativesintech.org/apache-appropriation/
Native Americans ask Apache foundation to change name • The Register
https://www.theregister.com/2023/01/11/native_american_apache_software_foundation/
「Apache」の名称変更を求める声明を発表したのは、アメリカ先住民に力を与えるオープンソーステクノロジー構築を目指しているというNPO「Natives in Tech」です。
この「Apache」という名称について、ASF設立メンバーのブライアン・ベーレンドルフ氏は「Apacheという名前にしたのは文化的流用などではなく、当時ローンチされたWebテクノロジーは『サイバー○○』や『スパイダー○○』といった名称ばかりで、もう少し興味深くてロマンティックな名称が欲しかったからです。ちょうどジェロニモとアパッチという部族の最期についてのドキュメンタリーを見たところで、彼らが西部、つまりアメリカ合衆国による侵略を受けて領土を手放した最後の部族だったという話で、私にとっては、我々がWebサーバープロジェクトで行っていることをロマンティックに表現しているように思えたのです」と語っています。
“Trillions and Trillions Served” documentary feature on The Apache Software Foundation – YouTube
[embedded content]
Natives in Techは、この「ロマンティックな表現」が「無知であると同時に不快なもの」と指摘し、ASFに対して「選んだ言葉に深く注意」し、名称を変更するように求めています。
ニュースサイト・The Registerによると、ベーレンドルフ氏はコメントを出さなかったとのこと。一方、広報担当者は「我々は先住民の方々からの懸念に耳を傾けています。ボランティアで運営されているNPOとして、メンバーや理事会で対処のための代替方法を検討していますが、現時点で共有する情報はありません」と述べました。
なお、先住民にかかわる名称の変更の案件はスポーツ関連では複数発生しており、直近の有名な事例としては、映画「メジャーリーグ」の舞台にもなったクリーブランド・インディアンスが2022年のシーズンから「クリーブランド・ガーディアンズ」に名称を改めています。
Official Cleveland Guardians Website | MLB.com
https://www.mlb.com/guardians
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