睡眠改善や不安軽減につながる「マグネシウムサプリ」は一体どの種類を飲めばいいのか?

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睡眠の改善や不安の軽減、むずむず脚症候群などの症状軽減につながるとされているマグネシウムを正しく摂取することの利点を、科学系メディアのLive Scienceがまとめています。

Best magnesium supplement 2022: Boost energy and aid restful sleep | Live Science
https://www.livescience.com/best-magnesium-supplement

人間の体内に存在する酵素のうち、300種類以上がマグネシウムを必要としています。そんなマグネシウムを多く含む食べ物としては、マメ科植物や玄米、緑の葉野菜、全粒穀物、ダークチョコレートなどが挙げられます。しかし、アメリカの人口のほぼ半分(48%)がマグネシウムの1日の必要摂取量を満たしていないという調査結果があるそうです。また、オープンアクセスの査読付き科学誌であるNutrientsに掲載された研究論文によると、マグネシウムの摂取量が少ないと、アルツハイマー病やインスリン抵抗性、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、片頭痛、ADHDなどの慢性疾患を患う可能性が高くなるそうです。

19~30歳の成人男性は1日あたり400mgのマグネシウムの摂取が必要とされており、同じ年齢層の女性の場合は310mgが必要摂取量です。31歳以上になると、この必要摂取量は男性が420mg、女性が320mgとなります。そんなマグネシウムの必要摂取量が足りない場合は、マグネシウムサプリメントを利用することで、必須ミネラルを十分に摂取することが可能となります。

ただし、ミネラルには複数の形態があるため、どのマグネシウムサプリメントを利用すべきか知るのは難しいものです。例えば、クエン酸マグネシウムは体内で最も利用可能な形態のひとつである傾向があり、体内で容易に吸収されます。しかし、胃が敏感な場合はリンゴ酸マグネシウムのサプリメントを摂取する方が良いケースがあるとのこと。そして、酸化マグネシウムは、欠乏症を改善するというよりも、消化器系の問題や胸やけの改善に使用される傾向があります。


というわけで、複数あるマグネシウムサプリのうちオススメのものを管理栄養士のソフィー・メドリン氏がまとめています。

◆Pure Encapsulationsのマグネシウムサプリ(クエン酸塩)


Pure Encapsulationsは信頼できるサプリメントメーカーで、その製品は医療専門家や栄養専門家と協力して設計されており、非常に品質の高いものであるとメドリン氏。このPure Encapsulationsのクエン酸塩マグネシウムサプリは1粒で1日のマグネシウム摂取量の36%となる150mgを摂取可能です。グルテンフリー、非遺伝子組換え体(NON-GMO)、低刺激性であるためビーガンにも適したサプリと言えます。また、カプセルでコーティングされているので飲みやすく、完全に無味でもあるそうです。なお、やや高価で胃腸が弱い人には向かないという点には注意が必要です。

◆Nature’s Bountyのマグネシウムサプリ(酸化マグネシウム)


Nature’s Bountyも数十年にわたりサプリメントを製造してきた信頼できるサプリメーカーで、同社の設ける品質保証基準とGMP基準の両方を満たすサプライヤーから仕入れた原料のみを使用しています。サプリメントは1錠に500mgものマグネシウムが含まれており、これは1日の必要摂取量を超える量です。ただし、酸化マグネシウムはクエン酸やリンゴ酸などの他の形態のマグネシウムよりも体内で利用できる量が少なく、体内に十分に吸収されない可能性があるそうです。

ただし、Nature’s Bountyのサプリは手頃な価格と高い品質を併せ持っており、それでいてNON-GMO、大豆フリー、グルテンフリー、人工香料・甘味料不使用と人体に優しい成分となっています。

◆Thorne Researchのマグネシウムサプリ(粉末マグネシウム、キレート化グリシン酸)


錠剤を飲み込むのが苦手な人にオススメなのが、Thorne Researchの粉末マグネシウム。Thorne Researchによると、1日1スクープを8オンス(約230ml)の水に混ぜて飲むか、医療従事者の推奨に従って摂取することが推奨されています。粉末マグネシウムはジュースや別の粉末状サプリと混ぜて摂取することができるという点も特徴です。溶解度が高いため吸収性に優れており、他のマグネシウムサプリと比べて下剤効果が少ない点も特徴。

また、Thorne Researchの粉末マグネシウムはグリシンを含みます。グリシンは体内のリラックス効果とストレス軽減促進に役立つため、同サプリが安眠サポートにも役立つとThorne Researchは説明しています。Thorne Researchの粉末マグネシウムはフルーツの濃縮果汁で加糖されている点にも注意が必要。なお、同サプリはグルテンフリー、乳製品フリー、大豆フリーのNSF認定を受けています。

◆Vital Nutrientsのマグネシウムサプリ(グリシン酸/リンゴ酸)


敏感な胃のための最高のマグネシウムサプリがVital Nutrientsのサプリです。Vital Nutrientsのサプリではマグネシウムが鎮静神経伝達物質として機能する非必須アミノ酸のグリシンと、フルーツ由来の酸であり人体の細胞内にも存在するリンゴ酸と結合しています。2錠でマグネシウム240mgとなり、これは1日あたりの必要摂取量の57%に相当します。錠剤のサイズは2cmほどと決して小さくはありませんが、カプセルでコーティングされているので「飲み込みにくさはない」とのこと。グルテン、乳製品、ピーナッツ、木の実、大豆、卵が含まれていないのでビーガンの人でも摂取できます。また、NON-GMOであり、人工香料・甘味料・染料を含んでいません。

◆Now Foods液体マグネシウム(液体)


Now Foodsは1968年以来「優れた品質の商品を手頃な価格で」提供することを目指してサプリメントの販売を続けている家族経営のサプリメーカー。同社製品はすべてアメリカ農務省の認定を受けたオーガニック商品で、NON-GMOおよびグルテンフリーでもあります。

Now Foodsの液体マグネシウムは錠剤を飲み込むのが苦手な人に最適で、1瓶に1日の必要摂取量の32%に相当する133mgのマグネシウムが含まれます。グレートソルト湖で採取された天然ミネラルを使用していますが、濃縮度が高いため味がしっかりと感じられるので、ミネラルの風味を隠すにはジュースや食べ物と混ぜて服用することが推奨されています。


マグネシウムの種類別の特徴は以下の通り。

クエン酸マグネシウム:
生体利用効率が高く最も一般的な形態。

グリシン酸マグネシウム:
生体利用効率が高く、下痢を引き起こしにくいことで知られているため、胃腸が敏感な人向け。

硫酸マグネシウム:
エプソムソルトとしても知られているもので、筋肉痛を和らげるためにお風呂に入れて使用されるケースがある。

リンゴ酸マグネシウム:
敏感なお腹に適した形態で、リンゴ酸マグネシウムといくつかのビタミンを合わせて摂取すれば胃腸にほとんど問題を引き起こさないことが研究で明らかになっている。

塩化マグネシウム:
スキンケア製品や外用サプリメントに頻繁に含まれているものですが、経口時の生体利用効率についてはさらなる研究が必要という段階にある。

酸化マグネシウム:
生体利用効率が低いためマグネシウム欠乏症の改善に利用されることはまれ。ただし、消化器系の問題や胸やけの改善に利用されるケースあり。

なお、メドリン氏は「酸化マグネシウムやクエン酸マグネシウムは、便秘を治療するための下剤として一般的に使用されています。当然のことながら、意図した用途が便秘の緩和ではない場合、下痢などの望ましくない副作用を引き起こす可能性があります」と言及。さらに、下痢・吐き気・腹部の痙攣などの症状を引き起こす可能性があるため、マグネシウムの1日の摂取量が400mgを超えないようにすることをメドリン氏は推奨しています。メドリン氏は「バランスの取れた食事に、サプリで200mgのマグネシウムを摂取するのが一般的には十分に安全な摂取方法になると思います」と語りました。

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